第2話

2
390
2024/06/05 15:15
入店したのは不思議な雰囲気の男の人だった

身長高!ずっと真顔で怖い!!でもイケメン!!!

その人は檻にいる人間をまじまじと見ていた

こんな人でも人間を買おうとしているのか…

いや、こんな人だから…か?

ほんと、その人が近付けば近付く度に不思議な感覚が増していく

絶対、普通の人じゃない…

そう思いながらも見ていると、急に目が合ってしまった

やば、見すぎた

彼は少し考えたようにこちらに近付く

ルーサー
私はルーサー、君は?
あなた
…あなた…です


私の名前を聞くと彼は優しい声でいい名前だねと言ってくれた

…まぁ、真顔だったんだけど

ルーサー
年齢は…小学生くらいかな?


そういう彼に悪意は全くないように感じた

外国人にとって日本人は随分と幼く見えるらしいし、そのせいだろうか

それでもやっぱり気分のいいものではない

あなた
…19歳です


少し不服そうな言い方になってしまい、私の言葉を聞いた彼は申し訳なさそうに謝ってきた

ルーサー
hmm…では顔立ちからするに日本人だね?


そうです、そういう前に店員がこちらに来て意気揚々と私の説明を始めた

そうなんです
ただ、よく意味のわからない事を言うので、ペット達からは異世界人ではないかと言われてます
ルーサー
異世界人…


そう呟いたあと、まじまじと私を見ると彼は面白いと言った

面白いって…こっちは困ってるんですけど…

ルーサー
彼女が欲しい、私のペットにしよう
あなた
ぇ……
もちろんです!


彼の言葉で、私の困惑を無視して淡々と事が進み、私は買われてしまった




ありがとうございましたと言って彼を見送る店員

今までそんな事してなかっただろ

まるで厄介払いされてしまったようで少し悲しくなる

車に乗ると、彼はずっとあそこで疲れただろうから家まで寝ていなさいと言った

寝れるわけないだろうと思ったが、なんだか頭がボーッとしていつの間にか眠りについていた

プリ小説オーディオドラマ