第10話

雪華の悲劇
202
2024/02/02 10:38 更新
時が立ち、父の訃報を受け10年がたった頃──────。

あなたは15歳となり、弟の弥彦は10歳という年齢になっていた。
弥彦(弟)
姉ちゃん!裕二さん来たよ!
雪華(貴方)
本当?あ、裕二さーん!
遠くで大きく手を振る裕二さん。父がくなってから、裕二さんは毎日のように私達に会いに来てくれ、生活の面でも助けてくれていた。

それは父、庄司に助けて貰った恩返しだと、彼は言っていた。
裕二
お母さんに頼まれた物、買ってきたよ?ほら!
荷車から荷物をおろし、私達に見せると、竹カゴにはクジラの肉や野菜、味噌など色々な食材が詰まっていた。
雪華(貴方)
わぁ!今日は鯨汁だね!勿論、裕二さんも食べるんだよね?
裕二
え〜俺は...
母(清葉)
いいんじゃないですか?
洗濯物を終えた母が裕二さんを見て、にこりと微笑む。

裕二さんは顔を赤くして、嬉しそうに立ち上がった。
裕二
いいんですかね...俺、家族でも無いのに。
雪華(貴方)
裕二さんも家族だよ!ね!お母さん!
袖を引っ張り、そう言うあなたに母は「そうね。」と笑う。
母(清葉)
今夜は泊まってゆっくりされてはどうですか?明日は確かお休みでしたよね?
裕二
はい。じゃあ...よければお願いします。
雪華(貴方)
やったーー!
弥彦(弟)
やったーー!
✄----------------------------------------------------------------

夕暮れ時───。玄関から物音が聞こえ、弥彦と走って向かうと、裕二さんが頭に着いた雪を振り落としていた。
雪華(貴方)
おかえりなさい!
弥彦(弟)
おかえりお父...裕二さん。
裕二
...うん、ただいま。外は雪積もってて大変だね。雪合戦とかはしたかい?
雪華(貴方)
したよ!裕二さん、明日…​一緒に雪だるま作ろ!
弥彦(弟)
姉ちゃんに賛成!
裕二
よーし!でっかいの作るか!!
2人は喜びながら、裕二さんの袖を掴み、中へと案内する。

母は鯨汁の味を確かめていたのか、「うん!」というと、裕二さんを見て微笑んだ。
母(清葉)
ささ、外は寒かったでしょ?そこに座って?
裕二
ありがとうございます。
雪華(貴方)
裕二さんが買ってきた鯨や野菜、とても質がいいから、いつもより美味しいわよ?ほら、食べてみて!
母は裕二さんから順番にお椀に注ぎ、渡す。3人は「いただきまーす!」と同時に声を上げ食べると、嬉しそうに食べ始めた。
裕二
ん〜美味しいです!清葉さんは本当に料理がお上手で!
雪華(貴方)
そうでしょ?裕二さんがお父さんになってくれたら、毎日お母さんの手料理食べれるよ?
裕二
ちょ...あなたちゃん。それは...
母、清葉の顔を見ると、頬が紅潮していて裕二さんも満更では無い様子。
母(清葉)
...裕二さん。
裕二
は、はい!
茶碗を置き、正座したまま真っ直ぐと清葉を見つめる裕二。
母(清葉)
裕二さん、もう、こんな事しなくてもいいんですよ?私達家族に構っていると、お嫁さん見つからないでしょうに...だから今日で...






─────────ガタン!!
裕二
ん...なんの音だ?
玄関のドアが外れた様な音に、4人が驚いていた時だった───。
──────ガシャーン!!
雪華(貴方)
わぁっ!!
裕二
なに!?なんの音!?
母(清葉)
窓ガラスが割れたの?もしかして...熊?
裕二
ちょっと俺、見てきます。
裕二が立ち上がり、玄関のところまで行くと、冷たい風が入ってきていた。

どうやら、玄関扉が倒れたらしく、裕二は持ち上げて直そうとしゃがんだ時だった──────。

プリ小説オーディオドラマ