時が立ち、父の訃報を受け10年がたった頃──────。
あなたは15歳となり、弟の弥彦は10歳という年齢になっていた。
遠くで大きく手を振る裕二さん。父がくなってから、裕二さんは毎日のように私達に会いに来てくれ、生活の面でも助けてくれていた。
それは父、庄司に助けて貰った恩返しだと、彼は言っていた。
荷車から荷物をおろし、私達に見せると、竹カゴには鯨の肉や野菜、味噌など色々な食材が詰まっていた。
洗濯物を終えた母が裕二さんを見て、にこりと微笑む。
裕二さんは顔を赤くして、嬉しそうに立ち上がった。
袖を引っ張り、そう言うあなたに母は「そうね。」と笑う。
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夕暮れ時───。玄関から物音が聞こえ、弥彦と走って向かうと、裕二さんが頭に着いた雪を振り落としていた。
2人は喜びながら、裕二さんの袖を掴み、中へと案内する。
母は鯨汁の味を確かめていたのか、「うん!」というと、裕二さんを見て微笑んだ。
母は裕二さんから順番にお椀に注ぎ、渡す。3人は「いただきまーす!」と同時に声を上げ食べると、嬉しそうに食べ始めた。
母、清葉の顔を見ると、頬が紅潮していて裕二さんも満更では無い様子。
茶碗を置き、正座したまま真っ直ぐと清葉を見つめる裕二。
─────────ガタン!!
玄関のドアが外れた様な音に、4人が驚いていた時だった───。
──────ガシャーン!!
裕二が立ち上がり、玄関のところまで行くと、冷たい風が入ってきていた。
どうやら、玄関扉が倒れたらしく、裕二は持ち上げて直そうとしゃがんだ時だった──────。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。