第20話

番外編
1,045
2020/05/07 04:57
あなた「あら、お嬢さんこんにちは」

お嬢さん「えっ、あっ、こんにちは…」

天国()をお散歩していたら、

綺麗なお嬢さんに会った。

あまり見かけない髪型をしている。

あなた「何か困りごと?」

何か探しているみたいだった。

お嬢さん「えっと、その…あの人とはぐれちゃって…」

そう言いながら耳を真っ赤にして俯くお嬢さん。

あなた「それは大変ね、一緒に探しましょう」

お嬢さん「本当ですか?」

お嬢さんはぱっと顔をあげる。

あなた「ええ、私は煉獄あなた、よろしくね」

お嬢さん「私、恋雪っていいます、

     よろしくお願いします」





恋雪「へぇ、あなたさんってご結婚なされてるんですか」

あなた「そうなの、私の旦那さんはね、

     強くてかっこよくて優しい人なの、

     って、のろけちゃって恥ずかし…」

恋雪「いいですね、仲良しで」

あなた「あら、恋雪さんは?

     ご結婚なされてるんでしょ?」

恋雪「は、はいっ…」

あなた「初々しくて私は好きだけどね~

     ってここんな可愛い嫁さん置いていなくなるとか

     何処のダメな奴なのよ」

恋雪「全然ダメな人じゃないです!

   狛治さんは素敵な人です!」

あなた「は、狛治…」

杏寿郎「あなた!」

あなた「あら、貴方…」

恋雪「もしかして、あなたさんの旦那さん?」

あなた「ええ、そうなの」

杏寿郎「よもや!あなたはもう友達を作ったのか!」

あなた「ええ、恋雪さんっていうの」

恋雪「はじめまして、恋雪ともうします」

杏寿郎「うむ!

    あなたの旦那の煉獄杏寿郎だ!

    よもや!なんだか恥ずかしいな!

    嫁がいつも世話になっている!」

自分で旦那って言ってしまって照れる杏寿郎さん

可愛さの極み。

あなた「今ね、恋雪さんの旦那さんがいなくなっちゃって


     探しているところなの」

杏寿郎「よもや!そうだったのか!」

あなた「ええ、杏寿郎さんはどうしてここに?」

杏寿郎「うむ!

    薩摩芋を貰ったのでな!

    あなたに料理してもらおうと思ったんだ!」

あなた「あら、美味しそうな薩摩芋ですね

     あとで薩摩芋ご飯にしましょう」

恋雪「いいな…」

あなた「えっ?」

恋雪「な、何でもないです」

杏寿郎「よもや!お前は!」

杏寿郎さんがいきなり叫ぶ。

私も杏寿郎さんと同じほうに視線を送る。

あなた・杏寿郎「猗窩座!」

杏寿郎「なぜここにいる!」

あなた「地獄に帰れぇぇぇぇぇ」






あなた「なるほろ、こいつが恋雪ちゃんの旦那ね…」

私は目の前で寄り添って座る

猗窩座と恋雪ちゃんに目をやる。

杏寿郎「よもや…よもや…」

恋雪「はい…」

猗窩座「…」

あなた「すまん…」

猗窩座「いや、俺が悪い…」

あなた「わかればいい」

杏寿郎「こら、口が悪いぞあなた」

あなた「さーせん」

杏寿郎さんにこつんと肘でつつかれる。

猗窩座が出てきて吃驚しながらも

殴り合ったあなたと杏寿郎と猗窩座。

それを止めるために飛び込んできた恋雪。

そして現在に至る。

あなた「わかりづらいよ、狛治さん…」

いや、確かに戦ってる時に記憶覗いたけどさ。

すっかり忘れてたわ。

狛治「う、うるさいな…」

あなた「まあ、仲良くしなよ…」

いたたたた、と腰を擦る。

さっき打った。

杏寿郎「大丈夫か?」

あなた「ありがとうね、杏寿郎さん」

杏寿郎さんの手を借りて立ち上がる。

あなた「じゃあ、そろそろ帰りますか」

杏寿郎「そうだな、失礼するとしよう」

あなた「じゃあ、またね」

恋雪「はい、また」

あなた「今度はゆっくりお茶しましょ」

恋雪「はい!喜んで!」



猗窩座は嫌いだけど。

恋雪ちゃん大好きな狛治さんは嫌いじゃない。

いつまでも仲良くしてね、

恋雪ちゃん、狛治さん。





このあと私と恋雪ちゃんが

よい茶飲み友達になったのはまた別の話。




私は、なんだかんだで幸せです。

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