【ニキ視点】
俺が家に帰るまでにあったことをまちこりから聞いた。
俺がマフィアだってバレた時は、正直『終わった』と思った。
でも、みんな優しかった。
こんな俺を信じてくれた。
俺は、彼らの期待に応えなければいけない。
そう改めて実感した。
俺はその場から動き出し、ボビーの部屋に向かう。そして、コンコンとノックをする。
すると、ボビーはゆっくりとドアを開け、『なに?』といつもの落ち着いた声で言う。
相変わらず可愛げのない返しをするボビー。
でも、その“いつも通り”の話し方が逆に俺の心を落ち着かせてくれた。
俺は初めて出会った時のボビーを思い出し、子供の成長を見守る親のような気持ちになる。
りぃちょ以外の人間に警戒して、その紅く鋭い目で睨みつけていたあの頃とは違う。
たまに笑顔を見せてくれるようにもなった。
たった数日………されど数日。
もしあの5人に出会ってなかったら、俺は今頃どうなっていただろうか。
でも、いくら考えても想像がつかない。気づかない間に、俺にとって彼らは大切な存在になっていた。
『はぁ?』と言われ、思わず笑みが溢れる。
こんな日常がずっと続けばいいのに。
そんな願いをする。
でも、そんなに現実は甘くなかった。
いや………………
俺が普通じゃなかったから、この“日常”を続けることが出来なかったんだ_













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!