『俺は、刹那のトラウマじゃないの?』
【星火視点】
cozmezの2人がいるアパート。急いであたしはそこに来た。ドア前に立ってピンポンを連打。
それでも出ないからドアをダンダンと叩いて大声を上げる。
大声を上げてドアを叩き続けたら、やっとのことで鍵が開く音がした。
そう。朝起きたら、刹那がいなくなっていたんだ。
刹那がいなくなって、スマホは机に置いてあって。代わりに、部屋からギターケースがなくなっていた。
どうしよう、どうしようとあたしは大騒ぎ。
珂波汰も那由汰も静かに焦っている。
ネットを使って探そうとしても、大混乱になるのは免れない気がして使えない。
【1時間後】
珂波汰がめちゃくちゃ嫌そうな顔で頼ることにしたのは、悪漢奴等の人達だった。
朝食中のところに駆け込んでしまって申し訳ないし、全員朝ごはん食べ忘れてたので派手に腹が鳴り、今おにぎりご馳走してもらっている。
マジで本当に申し訳ない………。
そう言われ、あたしは首を縦にブンブンと振った。
……そうだよ。あたしも那由汰も、刹那が大好きなんだ。大切なんだ。
……黙っていなくなって、心配なんだよ。
……悪漢奴等の人たちは家族で、家族が誰よりも大切で。それなのに、他人にも手を差し伸べてくれる。
……いきなり押しかけて大騒ぎした、こんなあたしにも。
そうして、みんなで連絡を取り合いつつ、手分けして聞き込みと捜索を開始することに。
夏の日は暑くて、ジリジリと肌が焼かれる感覚がした。
どうして、刹那は黙っていなくなっちゃったんだろう。
こんなこと、あんまりしない人だと思ってたけど……あたし、意外と刹那のことなんにも知らないのかも。
でも、もう1つ気になるのが……
那由汰は、刹那のことが好き。恋愛的に好きなんだってさ、意外と独占欲あるみたいで、刹那と居るときだいたいくっついてるんだよ。
お互いにお互いのことが好きで、お互いにお互いが初恋で、一目ぼれで。
飛び降りした時、幸せになってねと言ったらしいのは、自分を忘れて欲しくないから言った言葉だったらしい。
……そら、呪いになってしまうわけだ。
那由汰はそう言って、日陰になる位置に座った。あたしも近くに座る。
那由汰がぽつり、と話しだしたのは、数日前、刹那が那由汰と会っていたときのことだった。
時系列は『TRUST』のドラマパートから数日後あたりです






















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!