強制的に吹き飛ばされた身体は
気づけば、最初に降り立った飛行船の中へ戻っていた。
自動で開かれたゲートを抜けた途端、
力が抜けたようにその場にぺたりと
座り込んでしまう。
空気が静まり返る中
しばらくしてフリーザ様も姿を現した。
彼が乗り込み、壁に設置されたパネルを操作すると
船のゲートが大きな音を響かせながら
ゆっくりと閉じられていく。
その間フリーザ様は何も言わなかった。
こちらを振り返りもしない。
ただ静かに、閉まりゆくゲートを見つめている。
扉が完璧に閉じられた頃
ようやく発された言葉は、鋭く冷たい。
ギロリと光る瞳がこちらを射抜いた。
言葉が出なかった。
ただ足元に視線を落とす。
プログラムされている………その言葉が
引っかかったが今は心が何にも動かない。
どう答えるのが“正解”なのか、
私はどうなってしまうのか
今はもう何かを考えることもできなかった
フリーザはふと肩の力を抜き、
片手を軽く弾いた。
その合図に呼応するように、部屋の扉が開く。
2人の兵士が無言のまま
後ろ手を縛られて押し出されてきた。
(……え?)
戸惑うあなたの目の前で
フリーザは平然と告げる。
彼の目は笑っている。
だがその奥には 何もなかった。
フリーザが右手を持ち上げる。
同時に部屋の空気が緊張で軋み出す。
指先に集まる力が
空間を歪ませるように震えていた。
あなたは思わず声を出していた。
自分でも驚くほど、震えた声。
なにか、とても恐ろしいことが起こる。
それだけはすぐにわかった。
フリーザ様はあなたの声に反応し
ゆっくりとこちらに顔を向け目を細め
何も答えることもなく
次の瞬間指先から光線を放った。
紫の光が部屋を貫く。
兵士の叫び声。
爆発音。
一瞬の激しい衝撃のあと
先程兵士がいた場所には何一つ残っていなかった。
もくもく上がる煙と、
肉の焼けこげる匂いが充満する。
思わずその場から逃げ出したくなる
けれど、体は動かなかった。
この人の前では感情を見せてはいけない――
そう脳が本能的に警告していた。
いつも通りの淡々とした口調。
フリーザ様はこちらを見ることもなく
先程まで兵士たちがいた出口へと向かう
扉が閉じられる。
ぽつりと ただ私1人だけが残された。
(……私は……)
叫び出してしまいそうな衝動を必死に抑える。
私は、人を殺したんだ。
それも、1人だけじゃない。
ナメック星の村人も、村も、
容赦なく殺した、この手一つで。
でも…..
言葉が、喉の奥で千切れるようだった。
この道に、“正解”なんてあるのか。
今の私は ただひとりだ。
静かに自分を責め続けることしかできなかった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!