部屋に到着した僕は目の前の光景に息を呑む
ボロボロなお兄様、大量の血を流しているアビス君、そしてこちらを睨んでいるセル坊‥
僕が杖を振ると無数の鋭い氷柱がセル坊の頭上から降り襲う
セル坊はその攻撃を避けお兄様たちから離れた
僕はその隙にアビス君に駆け寄る
どうしよう‥涙が滲んでアビス君の姿がよく見えない‥これじゃぁ、ちゃんと治すことができない‥
しっかりしろ‥しっかりしろ僕‥っ!
そう言ってどこか嬉しそうに笑うアビス君
そんな中、攻撃を避け終えたセル坊が僕に杖を向けた
そうだ‥彼のことはマッシュ君にまかせて‥僕は治療に専念しないと‥!
僕は涙を袖で拭い,治療を開始した
マッシュは地面を強く踏みその際に浮き上がった瓦礫を蹴飛ばし、セルはそれを手で受け止めた
セルは手に持った瓦礫をペロリと舐める
セルはそう言って杖を振る
すると沢山の炭素の塊が出現し,マッシュを襲う
マッシュはそれを拳で砕いていく
セルがそう言った瞬間、とてつもなく大きな炭素の塊がマッシュを襲う
セルは杖を振り,炭素の塊をアベルに向かわせる
それに気づいたあなたはアベルを庇おうとするが、その前にマッシュによって砕かれ、あなたは安堵の表情を浮かべて再び治療に専念した
セルがそう唱えると今度は無数の炭素の塊がすごいスピードでマッシュを襲い、マッシュはそれを全て拳で砕いて砕いて砕きまくる
またもや無数の炭素の塊がマッシュを襲い、マッシュはあなたたちを守るために拳で砕き防いでいく
マッシュに炭素の塊が当たりそうになったその瞬間大きな人形の手がマッシュをまもる
セルがそう唱えると、炭素の塊がアベルの作り出した大きな人形に向かっていき一瞬で壊す
セルがそう言いかけた瞬間,転がった人形の頭の一つが動き口の中からマッシュが出てくる
マッシュはそう言って思いっきりセルをぶん殴った
セルはそう言ってどこからともなく鏡を取り出した
セルがそう言った瞬間マッシュは鏡ごとセルを蹴り鏡は粉々に割れる
レモンたちは思い出すマッシュが成し遂げてきた数々の出来事を
アビス君の治療が無事終わった僕はみんなの方を見る
みんな驚いてるなぁ‥そりゃそうだよね
もうファンタジーよりファンタジーしてるもんね
僕はそんなことを思いながらセル坊の方に目を向ける
彼はパッパッパと服の汚れを払った後自分の手の甲を見て、マッシュ君の方を見た
おそらくマッシュ君が探していた者だと確信したのだろう
僕の記憶が正しければこの後すぐ去っていくはず‥。
無傷で‥
マッシュ君やアビス君は怪我を負ったのに‥?
なのに彼は無傷で帰っていく‥そんなの‥
ユルサナイ
セル坊がそう呟いた瞬間彼の背後の空間がガラスのように割れる
それと同時に僕は杖を手に立ち上がった
フィン君たちがその異様な空間に驚きの声をあげる中、お兄様とアビス君はどこか心配そうな顔で僕を見る
僕が杖を振ると闇の鎖がセル坊を捕える
僕はゆっくりと歩きながらそう言い、セル坊の前まで行く
僕はもう一度杖を振る
すると闇の鎖で捕えられているセル坊を無数の見えない刃が襲い次々と切り裂いていく
彼の体からはたくさんの血が流れ、飛び散り地面や壁の色を赤に変えていく
その血はセル坊の目の前にいる僕にも当然かかり、生暖かい感触が肌を這う
痛いよね
苦しいよね
でもまだたりないと思うの
僕がもう一度杖を振ろうとしたその時、後ろから強く抱きしめられ、杖を握っている方の腕を掴まれて身動きができなくなる
強く抱きしめながらも優しくそう言うお兄様
そうだ‥彼に傷を負わせたところで
僕の心が晴れるわけでも、マッシュ君たちが傷つけられたことがなかったことになるわけでもない‥
僕がそう言って頷くとお兄様は僕から離れ、優しく頭を撫でてくれた
お兄様の手‥あったかい,すごく安心する‥。
冷静になった僕はセル坊の方を見る
周りの壁や床は飛び散った血で赤く染まっており当然だが彼自身も血だらけである
誰がどう見たってやりすぎだとわかるのに
冷静さを失っていたとはいえ、お兄様に止められるまで気づくことができなかったどころか更にやろうとしていた自分が恐ろしい
お兄様が止めてくれなかったら今頃どうなっていたんだろう‥
最悪殺してしまっていたかもしれない‥
ほんと‥何やってるんだろう僕‥。
そんなことを考えていると、コツコツと靴音が聞こえ黒いローブを着てフードを深くかぶった人が部屋に入ってきた
誰‥だろう‥
フードのせいで顔が見えない‥
声のトーンや胸の膨らみからして性別は女だということくらいはわかるけど‥
それ以外は何もわからない‥
そもそもアニメではこんな人出てこなかったはず。。
なんだろう‥すごく嫌な予感がする‥。。
黒ローブの女はそう言って杖を軽く振りいとも簡単に僕の魔法を解除し、闇の鎖を消してセル坊を解放した
少しふらついているセル坊を見て彼女はそう言った
そして割れた空間からは二つの黒く大きな気持ち悪い手が出てきて、セル坊と彼女を手のひらにのせる
くそ‥秘密があることも秘密にしてたんだぞ僕は!
僕の表情を見てどこか楽しげに笑う彼女
コイツ‥さっきの発言‥わざとだ。。
っていうかどこまで知ってるんだろう‥。
彼女は最後にそう言ってセル坊と共に空間の中に消えていき、割れた空間は元に戻った
いや、うん‥って。。
そんなの、決まってるじゃないか
僕がそう言うとお兄様はどこか安心したような表情をする
お兄様とアビス君は部屋を出ていったあと、マッシュ君は口を開いた
うん、ちょっと気が早すぎないかい??
助けてもらったくせになにを言ってるんだあのモブは‥
あ、人形化されてた間の記憶はないんだっけ‥?
マッシュ君はそう言ったあとシュークリームを食べ始めた
呑気すぎるよマッシュ君‥!
一難去ってまた一難か‥
大変だな‥主人公は‥
僕はフラグを立ててしまったことに気づくこともないままこの日は幕を閉じた











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!