これは幼頃の記憶の無い少女の独り言
私は幼い頃の記憶が無い。
1番古い記憶からずっと“お義兄さん”と一緒に住んでいた。
私は妖怪、ではあった。
でも、私の両親は妖怪に殺された。
お義兄さんが言っていた。
その妖怪はお義兄さんが退治してくれたらしいけど、それでも私は妖怪を許せなかった。
同族殺しは頭がおかしいとは、何となく理解している。
でもこれは、私の八つ当たりでもあり復讐だから。
お義兄さんは妖怪の弱点を教えてくれた。
効率的な倒し方を教えてくれた。
そして、利用の仕方も。
なんで私の親は殺されたか聞いたこともある。
「なんで私の親は殺されたの?」
「人間と妖怪は…お互いがお互いを忌み嫌っているから。
…そんな関係なのに付き合ってたら怪しいからね。
怪しきは罰する。
…そうだったんじゃないかな。」
だから█████は“半妖”なんだよ
って。
向こうでは“混血”と言って、純血を重んじる血統主義の世界なのに
別種の血が混ざることも嫌われ、
しかも忌み嫌っている人間の血が混ざっているから、
だから親は死んだって。
私は、隠されてたって。
そんな腐った考えを持っているせいで、私の親は。
許せなかった。
好きになるのに種族は関係無いはずなのに、血統主義って。
古臭くてつまらない。
古臭くて腹が立つ。
全部消えてしまえば…リセットしてしまえば私みたいになるヒトも居なくなる。
だから、お義兄さんを手伝う。
助ける。
私のような人を産まないように。
最近夢を見る。
お義兄さんが喚んだあの偉そうな式神と出会ってから。
私と似ても似つかない妖怪と遊んでいる夢。
お義兄さんな訳ないし、
似てないから親でもない。
お義兄さんに聞けば
「化かしてくる妖怪も居るし夢に取り憑く怪異とかもいる。
…少なくとも、俺は知らないよ。」
けれど、私は化かされるのだろうか。
妖怪から見たら私は妖怪と思われるようだから、怪異か、それとも本当の記憶か。
だとしたら、これまでやってきたことが疑問になる。
妖怪に、育てられた…遊んでもらった過去があるということになるから。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!