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第11話

9 わたしとたたかえ! 【アズゴア×アンダイン】
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2024/01/08 09:00
それはまだ、アンダインの幼き頃の物語…
アンダイン
アンダイン
ぬぁぁぁぁぁ!
モンスターA
うわっ!
モンスターAが、後ろにひっくり返った。
アンダイン
アンダイン
やった!わたしのかちだな!
モンスターA
いててて…
モンスターA
アンダインって強いね…
アンダイン
アンダイン
あたりまえだ!
アンダイン
アンダイン
いままでだれにもまけたことないしな!
モンスターA
そーなの⁉︎
わたしとモンスターAとの勝負を見ていたクラスメイトの子達が、一斉にわっと集まって来た。
モンスターB『どうやったら強くなれるの?』
モンスターC『魔法の槍ってどうやって出すの?』
モンスターD『誰から教わったの?』
モンスターE『筋肉ってどうやったらつくの?』
モンスターF『誰と戦ったの?』
アンダイン
アンダイン
し、しつもんがおおい!!
アンダイン
アンダイン
とにかく!わたしは王さまにかつために強くなるんだ!
モンスターA
王様!?
アンダイン
アンダイン
あぁ!わたしは王さまにかって、わたしが王になる!
クラスメイトのみんなはわーっと拍手をしてくれた。
子供の頃から喧嘩に強かった私は、いろんな人との勝負を求めた。いじめっ子のクラスメイトにも、口うるさい先生にも、白いちょこまかと動く犬にも、私は負ける気がしなかった。
そして、今思えばすごくバカなことをしたと思う。
警戒なしに、私は宣言通りずかずかとアズゴアの城の中に侵入した。
アンダイン
アンダイン
王さま!王さまはどこだ!
アンダイン
アンダイン
…あっ!
謁見室の玉座に、アズゴアと、ガーソンじいさんを見つけた。
アズゴア
アズゴア
…おや?きみは…
ガーソン
ガーソン
…?おや、アンダイン。
アンダイン
アンダイン
王さま…いや、アズゴア王!
アンダイン
アンダイン
わたしとたたかえ!
アズゴア
アズゴア
え?
ガーソン
ガーソン
ワハハ!フワリン、戦士アンダインからの決闘の申し込みじゃ!
アズゴア
アズゴア
いやはや…困ったねえ。
お茶でもいかがとも思ったけれど、そうもいかないようだ。
アンダイン
アンダイン
…たたかえ!わたしのケツイはゆるがない!
アズゴア
アズゴア
…!
アズゴアが一瞬ぴくりと眉を動かし、しばらく考え込んだあと、玉座をどかし始めた。
アズゴア
アズゴア
よし、これで準備はととのった。はじめようか。
アンダイン
アンダイン
ああ!
私はアズゴアに向かって戦った。
…時間も、自分の体力さえも忘れて。

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