前の話
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担当の先生の声と同時に私はペンを置いた。
今日は終末テスト日
とある先生に褒めてもらう為に今回はかなり頑張った。
大きい溜息を吐きながら私は机に突っ伏した。
終わってからあれの答えはもしかしてあっちだったんじゃないか…?
という考えが頭をグルグル駆け巡る。
頭を抱えて唸っている。
出来る事ならいっそやり直したい。
ここ最近ずっと図書室に籠って勉強してたせいか
ずっとマルバス先生を見れていない。
ばったりマルバス先生に会ったりしないかな〜…
そんな事を考えながら足を動かす。
マルバス先生、拷問学担当の先生だ。
拷問学は結構苦手な部類でつまずく部分も多い。
分からない所がある度に聞きに行っていた。
拷問学に熱心な生徒がいて嬉しいとマルバス先生はとても親身に教えてくれた。
マルバス先生の声、低くて優しいんだよなぁ…
先生の事考えながら適当に動かしていた足は無意識に拷問学の教室へ向かっていたらしい。
私は今拷問学を学ぶ教室の前にいる。
マルバス先生いるかな…
今、授業中でも無いし入っても大丈夫、だよね…?
そう自分に言い聞かせながら私はドアを開ける。
いつもの教室だ。
そして誰もいない。
奥の拷問学準備室から物音が聞こえる。
マルバス先生だろうか。
私は恐る恐るドアに近付いた。
中からは金属同士がぶつかる音や時々
「あいたっ」
という声も聞こえる。
多分、マルバス先生が次に授業で使う器具を準備している所だろうか。
私は意を決してドアをノックする。
コンコン
静かな教室にドアの音が響く。
中からマルバス先生の返事が聞こえた。
ガチャ
扉が開けられた。
中から白衣を着たマルバス先生が出てきた。
何も用がない…は駄目だよな。
いや、用はある。けど…言って良いものなのか分からない。
私がうんうん唸っているとマルバス先生が口を開いた。
どうしよう、なんて言おうかな。
結果はまだ出てない、けどこれでやろう、!
言ってしまった。
なんて事を言ってしまったんだと羞恥心で顔に熱が集まるのを感じる。
恥ずかしい。
顔から火が出そうなくらいあつい。
冷静になった頭でグルグルと考えながら私はマルバス先生の顔を見れずに思わず下を向いてしまった。
言うんじゃ無かったと後悔するが時すでに遅い。
私は下を向いている。
と言ってマルバス先生は何やらポケットをゴソゴソと漁っている。
何をしてるんだろう?と思って私は顔をあげた。
ひとしきりポケットを漁った後
訳も分からずまま私は手を出した。
ぽん、と私の手のひらの上に置かれたものは
ころん、と包装紙に包まれたチョコが二つ置かれていた。
その言葉と共に私の頭の上に手が置かれた。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。