第16話

好き5
3,485
2019/04/19 12:55

🐴

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撮影に着いてきたみやに不信感は抱かなかったけど、すげえ嫉妬する。

撮影が終わってからのじんたんとの打ち合わせも 会話も 何かとじんたんがみやの隣に行きたがるんだ。


今は打ち合わせも全部おわって、久しぶりにてみじで動画を見ながら微睡んでる。
3人だと喋るのも遊ぶのも最高に楽しいけど、やっとじんたんに話せると思ったらみやは居るし、みやは昨日じんたんにキスしたって言うし、2人の距離感近いし...


でも 俺がたくさん傷つけてしまったじんたんを 守ってくれてるのはみやなんだ。
今じんたんの隣に居るのはみやだ。

早く誤解を解きたいけど...
じんたん、あんなに泣いてたんだ。



仕方ない、か....


正直
色々複雑だ。







じんたんがキッチンからお菓子を持ってきてくれて、皆で食べる。




じ「え!これうま!」

テ「なになに?」

じ「ポテチのはちみつ味だって!」

み「はちみつw微妙w」

テ「じんたん頬張りすぎでしょーw」

頬にいっぱいお菓子を詰めて嬉しそうなじんたんに 胸が高鳴る。


...かわいい


やば、俺じんたんにきゅんとしてんじゃん。


好きって自覚したら
こんなに可愛いわけ?
いや、自覚する前からじんたんは可愛かったけど...


じんたんの口のまわりについたお菓子を拭おうと手を伸ばしたら



み「あ、じんたんお菓子ついてるよ」



みやがじんたんを引き寄せて
唇の横にそっと口付けて 優しく舐めた



じ「み、や!?んぅッ...ぁ」



驚いたじんたんから咄嗟に漏れたすこし甲高い声が 思わず腰に響いた



み「もーえろい声出すなよw」


じ「いやみやのせいでしょ!!!」





...


なに


じんたん嬉しそうじゃん。





自分でも気付かないうちに
心の中の黒いものが
もくもくと大きくなっていった。



じんたんも わりといつも通りに俺に接してくれている。

悲しそうじゃなくて、嫌われてないみたいでよかったけど...みやといちゃいちゃしすぎ...




テ「なに、すごいラブラブじゃーん」


わざと声を大きくして
冷やかすように言ってみる。


じんたんの顔は 見れなかった。




みやがすぐに
「...まーね!一晩共にした仲だもんねーじんちゃん」
って 冗談っぽく笑う。

みやの余裕な感じも じんたんがいつも通りすぎるのもなんだか気に入らなくて、思わず拗ねてしまったんだ。


__せっかく楽しい雰囲気なのに

__でも、止まらない。





テ「へー、なにみや~じんたんのこと好きなん?」




...笑え




テ「じんたんも、みやに気があんの?やだなあ~せっかくてみじなのにさ~」



...笑え




テ「心変わりしたわけー?」





...そう 笑顔で口に出した








____「っ!!!」









瞬間





方頬に強い衝撃と痛みが走る












__さっきまで笑ってた じんたんだった

















テ「.......じ、じんた「「ふざけんな...!!!!」」

俺の掠れた声をかき消すように
じんたんが叫ぶ










苦しそうに
悲しそうに







この前と同じ顔で






じんたんが叫んだ










「テオくんが俺のこと 男のこと 好きになれないってわかってる!!テオくんを好きになったのは俺が悪かったよ!!...っ 」




俺の前に立って
拳を握りしめたじんたんから

涙が溢れて こぼれ落ちる








「悪かったけど...っ こんなこと


言われても仕方ないって


全部飲み込めないよ...っ」













張り上げていた声が
段々小さくなって


最後の方は

頼りなく掠れていた。










泣き声はあげまいとすぐに歯を食いしばって
唇を噛んで
涙だけが 次から次へと転がり落ちていく。











驚きと後悔で 黙りこくってしまった俺と
涙の止まらないじんたんを交互で見たみやが


「じんちゃん」



じんたんを優しく

優しく呼んだ

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