~~~~~~注意⚠️⚠️~~~~~~
※この回はかなりグロテスクな内容になる部分がありますので、そういうものが苦手な方はお帰りくださいませ。
「おい花菜、依頼は進んでいるのか?」
“健”は花菜にそう聞いた。
「…はい、着実に。今は邪魔者を排除しています」
花菜の答えに納得いかなかったのか、「ふん」と鼻を鳴らした。
「言い忘れていたかもしれないが、期限は20XX3月19日だ」
中学の卒業式だ、と花菜は思ったが、おそらく依頼人はそこを狙っているのだと予想し、口を噤んでおくことにした。
「畏まりました」
花菜が健の前に跪くと、依頼人が来た。
「すいません、若松健様でよろしいでしょうか」
依頼人は自信なさげに健に話しかける。恐らく理由は花菜の後ろにいるキョウダイが赤い血をトクトクと流しながら死んでいるからであろう。
(こんなものも直視できない奴が、暗殺の依頼を頼もうとするな)
花菜は依頼人に対し、そう思ってしまった。生まれた時から暗殺者の花菜だから思ってしまうのだろう。
「依頼は駄目だ。今は人手が足りていないんだよ」
健はそう言うと、依頼人を追い返した。
「花菜お前、しくじったらどうなるのかわかっているよな?進みが遅い」
初めて自分の父親に怒られて、花菜はびくりとしてしまった。
「わかっております。承知いたしました」
花菜はそれだけ言うと逃げるように去っていった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。