初任務が完了し、数日経った。
今もはるは、この屋敷の使用人として
働いていた。
コツッコツッ…
お気に入りの靴で軽やかなリズムを
刻みながら厨房へ向かった。
トントン…
意気揚々とれんに伝えた
れんは、はるにクッキーを手渡した。
作って間もないのか、まだ熱を帯びている。
ここでやっと、はるは誤解していることに
気づいた。そして、あ互い目を合わせ、
力が急に抜けた様にカラカラと
笑いあった。
はるの、頬を赤らめ、目の縁の液体を
キラキラとロウソクが照らす様子は
嘘偽りのない本当に幸せそうな表情だと
言う事を証明していた。
この使用人は屋敷や、主人、そして
世界の闇から目をそらすことで
安泰と幸せを手に入れたのだった。
end F 使用人の黙認。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!