第9話

Episode:seven
40
2026/03/21 22:39 更新
次の日、私はまた理事長室にいた。
あなた
なんの用なんですか……
顔を顰める私に構わず、理事長は険しい顔で言った。
コーネリアス理事長
特待生さんの解呪に失敗したんですよね?
あなた
そうですね
……まさか、また寮にこもれとかいうの?


それは勘弁、と、いつでも逃げれるように足を少し後ろに下げる。


理事長は、大きく息を吸って口を開いた。
コーネリアス理事長
夜長さんには、特待生さんと一緒に任務へ行き、呪いの解呪を手伝ってもらいます
あなた
…………え?
予想外の言葉に、一瞬思考が停止する。
あなた
一緒に、任務へ、ですか?
あなた
それはつまり、学外にも出ていい、ということですよね
コーネリアス理事長
はい
トレロスの懲戒処分を取り消してもらった(強引に)とはいえ、まさか理事長の口からそんな言葉が出るなんて思わなかった。


私の困惑が伝わったのだろう。

理事長は不満気な口調で言った。
コーネリアス理事長
……夜長さん、閉じ込めたら暴れるでしょう?
コーネリアス理事長
それに、あなたが任務先で問題を起こしたことはあまりないので……
あなた
ああ、そうですね
そういうことか、と納得する。


つまり、私を閉じ込めるより任務に出させたほうが安全と考えたのだろう。
あなた
えーっと、特待生……あなたの特待生ちゃんの名前ちゃんが出る任務全て、一緒にいけばいいんですね?
コーネリアス理事長
そういうことです。逆に言うと、特待生さんが出ない任務には出席できない、ということです
理事長の話を聞き、私は2、3度頷く。
あなた
なるほど
あなた
それっていつからですか?
コーネリアス理事長
それは追って通達します
あなた
授業は?
コーネリアス理事長
ダメです
即答され、肩を落とす。


やっぱり、という部分もあるが、少なからず期待していた。
あなた
でも、学生の本分は勉強ですよね
コーネリアス理事長
それでも、です
コーネリアス理事長
夜長さんが出席したら、ほかの生徒が集中できないので
反論の言葉につまり、口を閉じる。


殺人鬼なんて言われてる私が同じ教室にいたら、みんな授業どころではないだろう。
あなた
……わかりました
まあ、授業を受けれなくても勉強に支障は出ない。

教科書さえ読んでおけば、大抵のことは理解できる。
あなた
(……ん?てことは、私、任務がない時暇人?)
コーネリアス理事長
あ、それと、特待生さんには呪いのことは1年後に死ぬ呪い、だと話しています
コーネリアス理事長
本当のことは言わないように
あなた
え、なんで秘密にするんですか?
目を逸らして言う理事長に、私は遠慮なく疑問をぶつける。
コーネリアス理事長
特待生さんの精神面を考えてのことです
コーネリアス理事長
1年後に怪異になる、より、1年後に死ぬ、の方が精神的負担は少ないでしょう?
どっちも同じだと思うけどなぁ、と心の中で反論を漏らす。

だけど、そんなくだらないことで言い争っても意味はない。
あなた
……わかりました
コーネリアス理事長
用件は以上です
あなた
了解ですー
あなた
じゃ、失礼しました
ペコリと頭を下げて、私は理事長室を後にした。

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