目が覚めても
父と母の姿は無い。
未だに受け入れられない現実で
睡眠がままならない。
ベットのサイドテーブルの上にある
家族写真に目を向けたくもない。
今日は月曜日だ。
早く学校へ行かなきゃ。
学校が終わり、
校門付近に人集りがあると思えば
みんなの目線の先にはスーツの男が居た。
自慢げに語っている本人は
周りの視線を気にしないのだろうか。
ヒソヒソと聞こえる小声と
注目の的である事が恥ずかしくて
急いで車に乗り込んだ。
スーツの男はアクセルを踏んで
車を走らせた。
窓の外から見える視線がまだ痛い。
へらへらと笑いながら
片手でハンドルを捌いている。
その余裕っぷりに
大人なんだなと思い知る。
へらりと笑ってるスーツの男と
ミラー越しに目が合って
なんとなく目を逸らしてしまった。
たまに出るセクハラ発言は
どうにかならないのだろうか。
爽やかな笑顔とミラー越しに目が合った。
さっきの事を踏まえて長く見つめ返した。
不破さんの方が先に視線を逸らしたのは
照れなのか信号が青に変わったからか。
それでもこの場が沈黙になったという事は
多少は期待していいのかな。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。