窓辺に座って外を眺めていた。
胸の中がずっとざわざわしている。
ライに「自分がどうしたいかを考えてみて」と言われてから、ずっと考えていた。
昨日のことが頭から離れない。
氷が暴れて、カゲツの頬を切ってしまった。
思い出すたび、胸がきゅっと痛む。
ふいに、ロウが言ってくれた言葉が浮かぶ。
『何があっても、俺らがいる』
それは短い言葉だったがとてつもなく安心した。
『あなたの力は、人を救う力にも成り得るんですよ』
そんなふうに考えたことは、なかった。
自分の力は怖いものだとずっと思い込んでいたから。
でも、ショウはまるで当たり前のように良い未来の形でその言葉をくれた。
『もうちょっと僕を頼ってみ?』
『もっと俺たちを頼ってよ』
頼っていい。
弱さを見せてもいい。
止まりたい時は止まってもいい。
心の奥の氷が少しだけ溶けていく。
窓から吹き込んだ風が頬を撫でた。
深く息を吸うと、胸がすっと軽くなる。
怖い。
でも、逃げたくはない。
4人が言ってくれた言葉。
全部、私の胸をそっと支えてくれている。
昨日、カゲツを傷つけた瞬間に思った。
傷つけたくないという気持ちが、確かに胸にあった。
それは、守りたいという気持ちの裏返し。
ウォォォオオオオン
そう決意した瞬間、警報が鳴り響いた。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。