ころんseid
朝、教室の空気は相変わらず冷たかった
相変わらず誰もが忙しなく席に着き、雑談や笑い声が飛び交う
僕が声を発しても誰にも届かない
届くとしても…さとみくんだけ…
そう思ってた
ふいにかけられた声に、僕は驚いて顔を上げた
そこには、るぅとくんが教室の入り口から手を振っていた
一瞬だけ、時間が止まったように感じた。
思わず返事をした自分に驚きながらも、内心少しだけ胸が温かくなるのを感じた
それでも席に着くと、周囲の雰囲気が冷えたように感じた
。。。。。。昼休み
教室からそっと抜け出して中庭に向かうと、ベンチに先客がいた
片手にパン、もう片方には紙パックのいちごミルク。あいかわらず飄々としたさとみくん
さとみくんはにこっと笑って隣のスペースを開けた
僕は一瞬目を伏せた。さとみくんの言葉が、妙に心に刺さる
。。。。。。放課後
パタ
下駄箱に向かうと、ジェルくんが自分の靴を蹴飛ばしていた
派手な声に思わず僕が振り向くと、ジェルくんはそのまま片足でスキップしながら靴を拾っていた
高1から相変わらずのジェルくんに思わず笑みが溢れた僕の様子を見て
ジェルくんは冗談めかして笑いながら去っていった
。。。。。。夜
ベッドに横になりながら、ペンダントをそっと握る
ほんの少しだけ、心が軽くなった気がする
明日もまた闇の中かもしれない
でも、今日と『まったく同じ』ではないのかもしれない

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!