第31話

泊めてくれるよね??
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2024/03/25 04:25



土砂降りの雨の中、一人の男が傘をささずに歩いていた。深夜、雨に濡れながらも真っ直ぐ前へ進んでいく男は、目的の人物を見つる。ぐっと口を閉じてから、お道化た様な笑いを作った。
自身と同じく傘をささずに歩いている男に近付く。濡れた手で、“全く濡れていない”相手の肩を叩いた。
太宰治
やぁ中也!
こんな所で奇遇だねぇ
中原中也
……何しに来やがった

にこやかな笑顔を浮かべる男_______太宰とは反対に、中原は眉を寄せ心底嫌そうな貌をした。


そんな中原を見て満足気に太宰は、中原の手を取っり上目遣いをする。
太宰治
私今びしょ濡れで、君もびしょ濡れだ
中原中也
手前が触って異能解いたからな!
太宰治
この儘では二人揃って風邪をひいてしまい
仕事に影響してしまうかもしれないね!
中原中也
んな柔な身体してねぇわ
太宰治
嗚呼なんと言う悲劇!
中原中也
おい人の話聞け糞鯖
太宰治
という事だから、泊めてくれるよね?
中原中也
……
中原は思考する。今この状況の最適解を見出す為に疲れ果てている脳をフル回転させていた。

先ず普通に断った場合、明らかに嫌がらせされるだろう。断られた事の腹いせに俺の愛車や葡萄酒が幾ら犠牲に成るだろうか。考えただけで腹が立つ。
それにここで断ったとしてもあの手この手で結局は泊まらす羽目になるのだろう。ならば、此処は素直に泊めた方が良い。家の中で何をされるか分かったもんじゃないが、そこは自身が目を光らせて置けば最悪な事にはならない筈だ。


ぎらりと感情の読めない微笑を浮かべているほ放浪者バカボンドを睨み上げ、大きな溜息をつく。


















中原中也
………………………………………………
……………………………今日だけだからな
太宰治
わぁ凄い貯めるじゃん


さて、何故こんな事になったのか

時は数時間前に遡る_______
主
まぁ、皆さんお察しの通り“あの人”の所為ですね!

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