24日が近づく。
ケーキを買う店も決めたし、
当日のことを予想していろんな用意をした。
だから、きっと成功する。
なんて思うけども、緊張は全然和らがない。
講義中でも、他のやつと話してるときでも、
何をしてるときも優吾のことばっかり考えてる。
講義がひとつ終わり、これから少し時間が空くので、
とりあえず部屋を出てぶらぶらしていたところ。
突然に、優吾から電話が来た。
普段の連絡はメッセージで済ませているので、
電話をすることはなかなかない。
だから、少々おかしいと思った。
なにか、
今すぐ優吾の口から伝えなければいけない事があった?
聞こえた、言葉ひとつだけ。
一言だけで、すぐにわかった。
優吾は泣いていた。
優吾は、24日バイトが入ってしまったらしい。
それは優吾が意図的に入れたものではなく、
サークルの方とは違うそのバイト先の先輩が、
24日どうしてもダメだそうで。
ごめん、本当にごめん北斗、と謝る優吾。
俺も呆然としたけれど、
でも、特にダメージを受けていないふうを装って
大丈夫だよ、となぐさめる。
だって、俺も昔、優吾にそうしてもらったから。
電話の向こう、優吾の泣く声。
それは、小学生の時の、
あのときの俺と重なって。
やだ、と言ってきかない優吾。
俺にどうにかできるものでもないから、
申し訳ないけど。
こんな優吾、初めて見る気がする。
いや見ていないから、正しくは聞く、か?
理由はよくわかる。
むしろ俺が優吾に、こうしてもらっていたから、
ただそれだけ。
そうしてもう一度、約束した。
でも、俺は、
やっぱり、












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!