『 じんちゃん一緒に祭りいかない? 』
スマホを手に取ると画面にこんな文字があった。
その連絡は
仲のいい友達からのものだった。
特に これといってやることもないしなぁ。
『 いいよ、いこ 』
そう適当に返事した。
ほんとは違う人と行きたかったんだけど。
でも自分から誘う勇気なんてないし、
向こうは人数が多いほうが好きだし、
向こうにとって俺はただの知り合いなんだから。
浴衣はどうしよう。
お金はどれくらいいるかな?
屋台でいっぱい食べたいな。
そんなことを考えてたら
さっきまでの暗い気持ちはどこかへいっていた。
?? side
じんちゃん、浴衣着てくれてるかな。
わくわくしながらじんちゃんが出てくるのを待つ。
miya side
じんちゃんは予想通り、いや、
予想を遥かに超えていた。
じんちゃんの浴衣の破壊力半端ないなあ。
素直にかわいい、って伝えたいけど、
今の精一杯は “ 似合ってるよ ” 。
これでも前より進歩したと思ってほしい。
じんちゃんと知り合って最初の頃は
ろくに会話もできなかったんだから。
to be continued .
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!