セカイに行った次の日。
学校を終えて自宅に戻った私。
今日はあなたの兄の名前くんが夕飯を作る日だ。
あなたの名字家はそれぞれのスケジュールを確認し、時間のある者が夕飯を作る。
家族の中でもあなたの兄の名前くんはとても手際が良くて特に美味しい。
将来の夢は一流の料理人と言っている。
その言葉を聞いて、じっと私の顔を見るあなたの兄の名前くん。
何を作っているのだろうか。
白い何かを混ぜている。
手を止めずにそう言う。
まるでこれから言う事が分かっているかのように感じた。
ーーーーーー
私とあなたの兄の名前くんは先にお夕飯やお風呂を済ませてお父さんの帰宅を待っていた。
ちなみに夕食は
『白身魚のムニエル、レモンバターソースがけ』
『野菜たっぷりキッシュ』
『リンゴ入り野菜サラダ』
だった。
すごーく美味しかった。
お父が帰宅したのは21時40分。
お父さんはプロのメイクアップアーティスト。
日本に戻って来てからは有名な舞台のメイクを担当していて、長引いて深夜に帰宅する事もある。
待ってましたと出迎えた。
私はお父さんが大好き。
多分お年頃の女の子にしては珍しいんだと思う。
夕食を用意する為椅子から立ち上がるあなたの兄の名前くん。
父はあなたの話を遮って飲み物を入れた。
3人分の炭酸ジュース。
もうすぐ夜の10時。
この時間にジュースを飲む習慣は無い。
イタズラっぽくニヤリと笑うお父さん。
驚いた。
本当に、父はなんでもお見通しだ。
優しくそう言ってくれるお父さんに、私は肩の力が抜けた気がした。
私、強張ってたんだ。
思わず早口で言ってしまった。
必死さを変に怪しまれたらどうしよう。
否定しないで認めてくれたお父さん。
不器用ながら応援してくれたあなたの兄の名前くん。
優しい家族に恵まれて、もしかしたら自分はとても幸せなのかもしれない。
晴れてショーに出られる事になった!
早くみんなに伝えたい!
早く明日になってほしい!!
いつものジュースが美味しくなった気がしたけど、ラベルを見ても変わっていなかった。










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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!