____視点
僕はずっと愛されてた
そのはずだった
ぼくはたしかに産まれてから数年は愛されてた
双子の弟だっていたし、いっつも一緒にいた
僕と弟はいつまでも一緒にいた
いや
"いたつもり"だった
ぼくが6歳になったとき
ぼくといむくんの体に変化がおきた
いむくんは天使の羽がはえて
ぼくには悪魔の羽と頭に角がはえた
父さんと母さんはそれをみて
ぼくを醜い悪魔だと思いこんでしまった
だからぼくを「役立たず」や「悪魔」と呼んで
虐待を始めた
だけどいむくんは違った
いむくんは天使の羽がはえたから
父さんと母さんはいむくんを溺愛した
父さんと母さんはいむくんだけを愛して
ぼくは愛さなかった
学校なんか行かせてもらえず
毎日除け者にされて
家事を押し付けられて
たまに殴られて
いむくんと正反対の扱いをされた
ぼくはそんないむくんが羨ましかった
だけどたったひとりだけ
ぼくを愛してくれたから
嫌いにはなれなかった
だからぼくはあの日あのとき
いむくんを助けるために
「ほんとの悪魔」になろうとしたのかな?
そこには"苦しそうな"顔をしている
いむくんがいた
深夜の投稿大変申し訳ありません
やっと全員出てきましたね
これから6人はどんな困難を乗り越え、地獄へと進むのでしょうか……
それがどんな景色なのかは誰にも分かりません
その景色を決め、6人を楽園へ導くのは
あなたかもしれませんね
おっと、話が逸れてしまいました
ではこの先の楽しい楽しいお話をお楽しみに
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!