第32話

Ep.30
525
2026/03/07 13:49 更新
fl.side



文化祭は、僕が想像していた10倍は忙しかった


ただ一生懸命に動いては、お客さんに対応していった



モブ
ねえねえ、ちょっとそこの君、


一番窓側の席の大柄な男性が、僕を呼んだ



フィリックス
フィリックス
あっ、はい何でしょうご主人様!
モブ
ちょっとさ、この後付き合ってくんない?
フィリックス
フィリックス
…え?
モブ
いやー俺初めてここの文化祭来たからさ、ちょっと案内して欲しくて
モブ
お金はちゃんと払うから
フィリックス
フィリックス
いや、でも…


別に悪い人には見えなかった


でも、何か嫌な予感がした


胸がざわざわと音を立てる


フィリックス
フィリックス
…すみません、お答えしかねます
モブ
そう言わずにさぁ〜
モブ
本当にちょっとでいいから、ね?
フィリックス
フィリックス
でもっ…
フィリックス
フィリックス
っ!?


僕はその瞬間、何が起きたのか理解ができなかった


ただ静かに、自分に向かう鼠色の鋭い刃先が


僕の太ももの数ミリ近くで止められていた


モブ
言うこと聞かなかったら…わかるよね?
フィリックス
フィリックス
あ…い、や…
モブ
わかったら早くここ出ようか


駄目だ、駄目だ駄目だ駄目だ


足が、手が、小刻みに震える


どうしよう、大声で叫べばいいか


刃物は机やら何やらで皆の死角になっていて


見えないようにちらちらと刃物を動かしていた


莫大な恐怖心でまともなことが考えられないまま、





僕はその人のあとについていってしまった。

hj.side


ヒョンジン
ヒョンジン
リクス遅いな…


約束の時間はすでに20分も過ぎていた


心配になってリクスのクラスに行ってみたが、


ハン
ハン
あれ、確かにいない…
ハン
ハン
さっきまでいたはずなのに…
ヒョンジン
ヒョンジン
…え


俺との約束を放ってどこかへ行った?


いや、リクスに限ってそんなことあるはずがない。



…胸騒ぎがした


ヒョンジン
ヒョンジン
っ、リクス!!


どこ行ったんだよ、マジで!!



人混みをかき分けながら、俺は走り出した
















Next…
お待たせいたしました

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