第8話

アヤメという女性
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2022/08/15 17:20 更新
ピピピッ....
鳥の声が聞こえて、
アヤメは目を覚ます。


まだ、太陽も登っていない明るくなってきた空を見てベッドから降りる。


カチャッとドアを開け、
ゾロが起きないように静かに行動しながら、
朝の支度を始める。



アヤメ
んっ...ふぁ...
あくびをしながら、
服を着替える。


ゾロ
ここはどこだ!
アヤメ
わっ!!!!
ゾロ
あ.....あ?
寝ぼけて飛び出してきたゾロ。
扉を開けた先に、アヤメは上半身下着姿で驚いて固まっている。
ゾロ
....あ....
ゾロはアヤメを見るなり、思い出したような顔をして咄嗟にドアを閉めた。
ゾロ
わっ、悪い!!!!
アヤメ
い、いえ。
ドキドキ.....
アヤメはすぐに着替えを済ませる。
ゾロは、部屋から出てこない。
アヤメ
....ゾロさん。どうやって帰ってもらおう。
アヤメはゾロが違う場所から来ている事に気づいていない。ここの森は、とても迷いやすく、何も無いと遭難は必須なぐらい。
下山は過酷なものである。
アヤメ
....私が一緒に行く事も出来るけど、きっと迷ってしまうし。
そうこう考えているとキキッ!と音がして、アヤメは外を振り向く。
アヤメ
貴方達が案内を?信用できないわ
外から声をかけたニュンペーに話しかけられたようだ。
キキッ!キキッ!
アヤメ
ダメよ。大丈夫。方法は他にあるはずだから
キィー...
ニュンペーは諦めて言ってしまった。
ゾロ
今、あれと喋ってたのか?
アヤメ
あ、ゾロさん。おはようございます
ゾロ
あ、あぁ。
ゾロはさっき一度会ったので、少し照れ臭かった。
アヤメ
あの子達、あなたを案内してくれるって言うのだけど私は信用出来なくて
ゾロ
あー...道に迷ったのはあいつらのせいだしな
アヤメ
そうね...それにあの子達だって行ける範囲があるだろうし
ゾロ
そんなに下山は難しいのか?
アヤメ
迷ったら最後、出られないわ。
ゾロ
あんた、いつからここにいるんだ?
アヤメ
え?私?生まれた時からここに住んでる
ゾロ
まさか、下に行った事ないとか?
アヤメ
.....
ゾロ
本当かよ!!!!
アヤメ
ないわ。一度降りてみようと思ったけど、途中迷子になったわ
ゾロ
良く戻ってこれたな
アヤメ
父が迎えにきてくれたからね。幼い時の話よ
ゾロ
親父さんは海賊だったか?
アヤメ
ええ。でも、もう帰ってこないと思う。
ゾロ
わからないだろう、それは
アヤメ
....戦争が始まるそうなの
ゾロ
戦争?
アヤメ
父は私に毎回新聞を届けてくれたわ。不思議な力を使って。けど、それもある日を境に来なくなった。
ゾロ
戦争....って、誰と誰が
アヤメ
それは...
アヤメが話そうとした直後だった。
外から高速で何かが通る音がしたかと思うと、
大きな爆発音が響いた。
アヤメ
きやぁっ!!!
ゾロ
なんだ!!!?!
キィキィ!!!!キィキィ!!!
ニュンペー達が慌てて飛び上がる様子。

アヤメとゾロはすぐに外に出た、
ゾロ
山が燃えてる!!
アヤメ
っ.....一体何が....
そう話している間に、また遠くの空から何かが落ちてくるのが見えた。
ゾロ
なんなんだ!突然!!!!
おい!大丈夫か!!?
放心状態になっているアヤメに
ゾロは必死に話しかける。

キィキィキィ!!
ニュンペー達も騒がしいままだ。
ゾロ
ひとまず、家の中に入るぞ!おい!アヤメ!
アヤメ
う...うん。
ゾロが半ば強引にアヤメを持ち上げると、家の中に入る。1番奥海側の奥の部屋でアヤメとゾロはベッドに腰掛ける。アヤメは力が抜けてしまったのかゾロの横に座らされたが、ゾロの支えなしでは倒れてしまいそうだった。


ゾロ
戦争って、ここでもやるのかよ
キィィィィィ!
窓辺に止まったニュンペー1匹が、
断末魔のような声をあげてチリとなる。
ゾロは驚き目を見開く。
2発目の爆弾のようなものも、山に直撃し火が出ていた。
アヤメ
...始まった...。始まってしまった...
アヤメは冷や汗いっぱいで
尋常じゃない震え方をしている。
ゾロ
おい、しっかりしろ!
ここは危ない、これから逃げるぞ。
ゾロはアヤメを奮い立たせようとする。が、
アヤメは思うように動けない。
アヤメ
このままじゃ...皆、皆いなくなっちゃう。
どうしたら...どうしたら...
ゾロ
おい!!!
いい加減にしろと
ゾロが言い放った時だった。


高速音が響いて、アヤメとゾロのいる近くに爆弾が落ち、爆風が襲った。
窓が割れ、一部家が崩壊しかける
ゾロ
いって....
アヤメ
ゾロさん...!
アヤメを庇ったゾロは額から血が滴っていた。
爆風で飛んだガラスが所々に突き刺さだていたのだ。



アヤメ
ゾロさん!ゾロさん!
ごめんなさいっ...
ゾロ
何謝ってんだ...無事か?
アヤメ
うん。大丈夫、ゾロさん血が
ゾロ
こんなの日常茶飯事だ。心配ない
アヤメ
そんなっ..,
ゾロ
それより、ここに居ても危ない。
早く下に逃げるぞ。
ゾロは瓦礫を蹴散らす。
キンッその時、ゾロは気付かないが、
瓦礫にぶつかり刀から何かが落ちた。


ゾロ
しっかり捕まってろ。
アヤメ
はい。
ゾロは再び、アヤメを抱き上げる。
アヤメはゾロの首に腕を回し、ギュッと握る。
ゾロは片腕でアヤメを支えた。
パチッパチッ

外に出ると、森は火が燃え広がり始めていた。



キィィィィィっ

キィキィ!!


逃げ惑うニュンペーや、
先程のように消えていくニュンペー達。
ゾロ
こいつら何なんだ、大丈夫か
アヤメ
ニュンペーは森の妖精なの。森がしねばニュンペーも消えてしまうのよ
ゾロ
妖精?なんだそりゃ。そんなの道を惑わす力もあるわけだ。
アヤメとゾロは家を飛び出し、
ひとまず山を下る。
ゾロ
火がこんなに燃えるなんて、
アヤメ、煙は吸うなよ。
火が回る森をゾロとアヤメは駆け抜けた。
たが、、、
ゾロ
うっ.....
アヤメ
ゾロさん!?きゃっ!!
途中でゾロの足が止まり、
アヤメは床に降ろされた。
ゾロ
悪い....ちょっと待ってろ
アヤメ
!ゾロさん!怪我をしてたの!?
ゾロの腰付近に大きく刺さったガラスが食い込み、尋常じゃない血が流れていた。
アヤメ
どうして言わなかったの
ゾロ
言っても心配させるだけだろう。それにこれは日常茶飯事だ。気にするな
アヤメ
気にするなって....無理に決まってるでしょ。
ビリビリとアヤメは自分の服の袖を違って、
ゾロの血を拭う。

ゾロ
くそ...
ガラスを抜けば、今よりも血が止まらなくなるだろう。そうしたら本当に動けなくなってしまう。
アヤメ
ゾロさん、大丈夫?痛いよね
アヤメは声が震えていた。
ゾロ
煙がくる、お前だけでも早く行け。
お前なら歩ける、行け!
ゾロはしゃがみ込んでいるアヤメの腕を掴む。
痛みを我慢して冷や汗が伝う。

アヤメは涙を流していた。
アヤメ
ダメですよ。そんなことできないわ
ゾロ
俺は大丈夫だ。良いから行け!
アヤメ
....っそんな事できない!!



アヤメがゾロの腕を掴む。




ヒューーーーーーーーッ



またどこからか爆弾が飛んでくる音がして、
ゾロとアヤメは音がする方を振り向く。



それは、2人の居る場所目掛けて飛んできていて最早避けようがなかった。
ゾロ
嘘だろ!
アヤメ
(神様......森の神様。お願い。ゾロさんだけでも助けて!!!)
キッ、キィィィィィ!!!

ニュンペーの声が最後に聞こえ、






閃光が2人を包んだ。










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