第11話

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187
2026/01/06 14:17 更新
Lee know side






Lee know
ねぇ、まって、だめだよ…






いくら言っても、ジソンイは止まらなかった。





まるで何かから逃げるように、無言でシャツのボタンを外し続けた。







ひとつ、またひとつ。






落ちていく布の音が、胸の奥を締めつけた。






ジソンイは自分のシャツを脱ぎ終えると、
 




今度は迷いもなく俺の服に手を伸ばした。







Lee know
ジソンイ…







だめだ。








ジソンイの瞳には確かに俺がうつっているのに、ジソンイの世界から俺が消えてしまったみたい。








あっという間にシャツを脱がされ、今度は俺のベルトに手をかけるところだった。








泣きそうだった。








俺はジソンイにこんなことさせたかったんじゃないよ。







ジソンイを初めて見た時





黄金の光に揺れるジソンイがあまりにも綺麗で







どうしようもないぐらい愛してしまったから






俺はただ純粋に、ジソンイが好きだっただけだよ。





どうしようもないほど好きになってしまった。






ただそれだけだったのに。





いくら過去を嘆いたって、もう俺が恋をしたあの日のジソンイは目の前にいなかった。







Lee know
…ジソンイ、やめよう…こんなことしなくていいよ





 
俺のベルトに手をかけるジソンイの、細い手首を掴んだ。







掴んだ手は震えていて、俺がジソンイをこんなにしたんだと思い知らされた。






Han Jisung
…痛い






そう言われても、俺はジソンイの手を離さなかった。





離せなかった。






だってこの手を離してしまったら、もう元には戻れない気がしたから。






Lee know
…俺ね、ジソンイのこと好きだけど、こんなことさせたかったわけじゃないよ







黙って俺を見るジソンイはなぜか泣いていて、その瞳の奥にすら俺はいなかった。






それがわかっていたことなのにやっぱり悲しくて







ジソンイを見れば見るほど、俺自身が壊れていくような気がした。






でも今更そんなこといったって、




俺とジソンイの関係なんてもうとっくに壊れていたんだろう。






泣きそうで目を瞑ったら、頬に生暖かい感覚が俺を撫ぜた。





その匂いを、感覚を、俺は知っていた。






そっと目を開けると、視界が霞んでいてよく見えなかったけど






目の前に俺の好きな人がいることはわかった。






ジソンイは俺の頬を撫ぜながら、愛おしそうに目を細めた。





きゅっと胸が痛んで、頭が混乱した。






ジソンイが俺をそんな目で見る理由がわからなかった。





ジソンイと俺は、同じところにいちゃいけないのに





一度間違えてしまった関係なのに






なのに俺は、ずっとジソンイを好きなまま。




何度離れようとしても、好きだった。





Han Jisung
……ヒョンはずるいよ


Lee know
なんで、…

Han Jisung
…僕のこと好きだから







乾いた笑い声だけが漏れた。







俺が笑うと、ジソンイも笑って





笑い声はいずれ、嗚咽に変わっていった。






どうしようもないくらいおかしかった。







今俺たちの間に流れてる時間も、香りも、思い出も








全部どこかおかしくて








変で







それでもジソンイを好きな俺の気持ちは変わっていなかった。








何度嫌われても、ずっと好きだった。





これが愛なら、あまりにも残酷で、綺麗だ。





名前をつけられないまま、俺の中にだけ余韻として残ってる。






Lee know
今日はもう寝よう






外れたシャツのボタンを、一つ一つ付け直す。






その間ジソンイは、ずっと俺の唇を見つめていた。






そのまま2人で寝っ転がって、ジソンイが俺に足を絡ませた。







それに応えるように、俺もジソンイの腰を抱き寄せた。





腰は折れてしまいそうなほどに細くて、




初めて会った時よりも更に痩せ細ってしまっていた。




本当に壊れてしまうんじゃないかって、怖くなった。







Lee know
……そういうことはさ、好きな人にするんだよ







俺がそういうと、ジソンイは頷く代わりに瞼を閉じた。




ジソンイは泣いていたけど、気付かないふりをした。





気付いたところで、ジソンイの涙を止めることができるのが俺じゃないのはわかっていたから。





俺の泣く理由はいつだってジソンイだけど、




ジソンイの泣く理由に、俺はなれない。










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タイトルの意味



#には半音をさげるって意味があるじゃないですか。


完全に一音じゃない、半音



愛しているのに、愛せなかった。



これ以上は進めなかった。行き止まりだった



その状態を、音で表しています。







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