私はそう言いながらDestinationちゃんに泣きながら抱き着いて必死にお願いした。
そうするとDestinationちゃんは少し考えるそぶりをして、こういった。
「僕のお父さんとお母さんは優しい。いつも守ってくれていたの。
だから一つだけ言われていたルールがあって、
危ないから上の階には絶対に出ては行けない。
出たら、お父さんとお母さんはもう僕を守ることができないって。
今日はどうしても上の階に行きたくなって、
居ない時にこっそりルールを破っちゃった。
お父さん、お母さんごめんなさい。
もう二度としないから、戻ってきて。」
みんな生きている状況で会えないっていうのが、よくわかんないよう。
とりあえず問題文を見直してみるほかないかな…?
問題文の言いたいことってのは、
「上の階には絶対出てはいけない。
子供はそれを両親がいない時に破った。
結果両親がいなくなった。」
ということなんだよう。
上の階には…。危ない…守れなくなる…。
上の階には危険なものがないのに、
出てはいけないだなんて、よくわからなくなったよう…。
つまり上の階は普通の階…
…普通の階?
少なくともこれが屋上とはしていない。
屋上だったら、多分屋上って明記するはずだし…。
上の階とかかれているから、恐らくこの子供がいる一個上の階のこと…。
そういえば「上の階に出てはいけない」とはいうが…
普通そういうのは上の階に行ってはいけないとか、上がってはいけないとかじゃないだろうか。
わざわざ"出て"はいけないとか、言わない気がする。
出る、といえば、家を出るみたいに、玄関から出るとかそういうことだと思うけど。
…ん?
子供はずっと地下にいる…。
1階にいくと、両親に会えなくなる…。
上の階、1階には危険なものはないけど…。
両親はいつも守ってくれている…。
1階に出るってことは、多分玄関も1階にあるはずで…。
多分、外に出れるとは思う。
でも、それになんの関係が…
…もし、もし両親がいつも守ってくれているの意味が違ったら、どうだろう。
危険なものはなくて、子供も両親も死んではいない。
だけど両親には会えない。
例えば、両親には子供が1階に行かれるのが都合が悪かったとか。
でも…そうだとしたら…それって…
いや、まず確認をしなきゃ。
子供がもう家には帰れない。
両親には会えない。
でもどちらも死んでいるわけじゃない。
さっきの仮説の通り「1階に行かれると都合が悪かった」として。
危険なものはないのに地下にいさせた。
それってつまり…
こうしてDestinationちゃんによる水平思考実験問題は、
無事に私が正解し、幕を閉じることとなった…。
………怖かったよう












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。