第8話

【第5話】関係
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2024/01/12 13:18
——今は、昼休憩中。浩二は屋上で一人、
食事を取っていた。彼はまだ、
昨日のデートの余韻に浸っていた。
彼は自分の彼女に対する大胆な行動に
大いに恥ずかしさを感じている。
浩二
浩二
(あぁ、考えてみれば唐突にキスしようなんて言われて千賀子は困惑しただろうか...。でも、いいよな?...彼女だし///)
浩二
浩二
だいたい、職場恋愛なんて、
プラトニックな関係で留めるもんかな?
はあぁ〜。
真昼間の青空を見上げながら額に手を当て、
つい独り言が漏れてしまう。
今、彼の一番の悩みであった。

そんな中、屋上の入口から足音が聞こえる。
浩二
浩二
んー?...
誰だ?
山中
山中
あ、お疲れ様っす。
浩二
浩二
!?

あっ、山中じゃないか。
どうしたんだ?珍しいな。
(うっ!やばいぞ。聞かれたか?)
山中
山中
珍しいですね。部長が屋上に来るんなんて。
いつもは何処かに行ってるみたいですけど。
浩二
浩二
まあ、たまには1人になりたいもんよ。
山中
山中
(...てことは、いつもは1人じゃないのか?...やはり)
浩二
浩二
なーに!
そんな皺寄せすることでもないぞ?
あははは
山中
山中
...さっき、聞いてしまったんですけど、
プラトニックがどうのって。
浩二
浩二
(ギクッ!!)
いや、友達から恋愛相談受けててさー。
山中
山中
...。
あの、聞いていいかな?
浩二
浩二
え、あ〜 
うん?
山中
山中
千賀子のこと好きなんだろ?
浩二
浩二
っ!!
別に...
ねぇー...
(なんだよ。もうバレたか。っ〜///
言うしかないか。)
浩二
浩二
あ〜。
好きだ。彼女の事。
山中
山中
やっぱり。
...でも意外だなァ。部長って、
もっとグラマーな女性がタイプだと思ってましたよ?
浩二
浩二
グラマー?
全然タイプではないな。
山中
山中
...なんか、バレた途端、
凄い開き直ってますね。
まあ、僕は余計なことは話しませんよ。
興味無いんでね。
それより...気をつけた方がいい人
いますよ?
浩二
浩二
はーあ?

誰だよ、...まさか
岩永主任か?
山中
山中
はい。その通り。

じゃ僕はこれで失礼します。
浩二
浩二
...。
岩永主任、か...
浩二
浩二
いや実はさ、
かくかくしかじかで——
ジャスティス橋田
ジャスティス橋田
えーっ!!

バレたのぉ!?
あの山中に!
浩二は、堪らず屋上に
千賀子と橋田を招いた。

例の岩永主任の件について話し合っている。
千賀子
千賀子
...

岩永主任、私達の関係の事
良く思っていないのかな?
ちょっと表に出しすぎたのかな。
浩二
浩二
まあな。
女という生き物は感が鋭いからな。
しかも、岩永主任、ここに勤めて長いからな。
ジャスティス橋田
ジャスティス橋田
あんな、古くさい慣習女
関係ないわよーぉ!

ホント、めんどくさいわ。
浩二
浩二
恋愛なんてよくある事だろ?
不倫なんかじゃあるまいしねぇ。

...好きになったらしょうがないだろ?
千賀子
千賀子
///

紀伊さんったら///
もー、そういうのがだめだよ。
仕事中は私情は持ち込まないようにしよ?
浩二
浩二
だね//////
ジャスティス橋田
ジャスティス橋田
っくぅ~~~!!
熱いね!!
浩二
浩二
あー

ついつい…ね//
千賀子
千賀子
うん///
ジャスティス橋田
ジャスティス橋田
ふふっ...
でー?2人はこれからどうしてくの?

キスとかせずに付き合うのー?
変なプライド持たなくってもいいのよ?
浩二
浩二
え、
そうだな...。
...
キスは、///...するよ?
ね、千賀子?
千賀子
千賀子
うんっ。 

...私も、したい...かな?///
ジャスティス橋田
ジャスティス橋田
まあ、そよねっ!
あんた達も10代じゃないんだしさ!

でもでも、職場でキスは辞めなさいよー?
誰に見られてるか分からないしネ
浩二
浩二
はいはい。
それは分かってる。
ジャスティス橋田
ジャスティス橋田
じゃ、後は2人きりで
楽しみなさい♪

じゃねー
橋田は小走りとスキップしながら
屋上の出口へ帰って行った。
千賀子
千賀子
...行っちゃったね。
浩二
浩二
だな。
浩二
浩二
ねぇ、あのさ
千賀子
千賀子
何?
浩二
浩二
ハーブティー、好きなの?
この前、山中に貰ってたからさ。
千賀子
千賀子
うーん...。
あまり飲まないかなぁ。

貰った時丁度エアコン効きすぎてて
寒かったから嬉しかった。
浩二
浩二
そっか。... 
(山中のやつ、完全に狙ってたな?...でも、俺はもっといいものをあげるよ。近いうちに。)
千賀子
千賀子
でもね…。
紀伊さんに貰ったものだったら
もっと嬉しかったのかなーって。///
浩二
浩二
っえ!//////
(まじで、心臓が飛び出るかと...///)
そんな彼女の甘い言葉に、
一気に体温が上がる。

数秒間、2人は見つめ合っていた。
浩二
浩二
...。
千賀子
千賀子
...。
浩二
浩二
(...はっ!不本意ながらキスしようとしてたぞ…。危ない危ない。さっき橋田に忠告受けたばかりだったわ)
その頃、山中は...
案の定、嫉妬心に燃えていた。
山中
山中
(くっ...!あーなんだよもう)
山中
山中
胸糞悪いな。全く、フンッ。
岩永主任
岩永主任
あーら、山中さん。
そんな険しい顔して。
どうしたの?
...またあの席の彼女のこと?
あの席の彼女とは、
そう勿論、千賀子である。
山中は片思い中であった。

しかし、最近空回りで終わっている。

浩二とは恋と仕事のライバルである。
山中
山中
くっ...

やっぱり、あのトッ〇バリューの
ハーブティーのせいか?

岩永主任
岩永主任
ぷふっ!!

そーかしら?
「好きな人」からのプレゼントなら
彼女も嬉しいんじゃない?
山中
山中
ってか、笑うなよ

うわ、凄い皮肉!

岩永主任
岩永主任
振り向かせたいのだったら、
努力しなきゃ。
いい?山中さん。

積極的に彼女と会話するの。
頑張って!
山中
山中
はあ。

フッ...人肌脱いでみるしかねぇな。
岩永主任
岩永主任
(あーー、このキザな発言がこの男のモテないところなのよねぇ。顔はいいのに。顔だけは)
岩永主任
岩永主任
まあ、応援してるわ!

人肌脱ぐってなんの事だか。
私は失敗しても責任取れないわよ?
山中
山中
(絶対、君を振り向かせる。...千賀子)
ついに、次回
山中暴走!?

6話につづく。

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