でも、とメイリュウが口を裂いて笑った。
メイリュウが吊られた。
そう言い残しメイリュウは絵画になった。
視界に奇妙なものが入った。
投票は終わっていない。
焦点を合わせるためにふと視線をあげると中央に狼が佇んでいた。
白く、大きな狼の化け物。
直感でそれがわかった。
そいつは曖昧な輪郭を揺らしながらライリュウに迫った。
カイコが呟いた。
がたん、とライリュウだった絵画が床を打った。
カイコが退場したのを見届け、狼はぐりんと方向を変えた。
狙われたのはカラカル。
逃げようとしたが、狼の方が一瞬速く、カラカルは絵画に変わった。
がん、と無慈悲な音が響く。
最後にフェンリルはある参加者の方を向いた。
カイリュウだ。
カイリュウが口を開いた。
言葉を言い終える前にがたん、と音がなった。
すとんとまぶたが落ちた。
耳がキツネの困惑した声を捉えた。
やっぱり、と思った。
狼が一番厄介な魔女を封じないわけがない。
だってこの1手で勝率が変わるから。
柔らかく目が開いた。
誰も応えなかった。
朝になった。
最終日が幕を上げた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。