喫茶店を出てあとも、
街は相変わらず賑やかだった。
人の流れに紛れながら歩いていると、
湊さんがふと足を止めた。
曖昧な言い方。
ほんの少しの好奇心を胸に、湊さんについて行く。
少し歩いて、人がだんだん減っていく。
さっきまでの騒がしさが嘘みたいに、静かな道。
そして目の前に現れたのは────橋だった。
思わず声が漏れる。
川の上にかかる大きな橋。
その向こうには、沈みかけの太陽。
空がゆっくりと色を変えていく。
まるで絵みたいに、綺麗だった。
少しだけ得意げな声。
橋の手すりに手をかけて、
じっと空を見つめた。
────こんな世界があるなんて知らなかった。
風が吹いて、頬を優しく撫でる。
静かで穏やかで安心する。
その一言に、胸が締め付けられる。
今まであなたの名字家の檻の中に
閉じこもっていた私にとって
何よりの救いの言葉だった。
いつもの軽い口調なのに。
どうしてらこんなに、胸の奥に染み込むんだろう。
夕焼けがゆっくりと沈んでいく。
その景色を見ながら、小さく息を吐いた。
言葉が少し詰まる。
でも、ちゃんと伝えたくて。
湊さんの瞳が見開いて、
そしてふにゃりと細められた。
胸がぎゅっとなった。
自然と笑みが零れる。
そのとき、ふわっと手が優しく握られた。
その手を振りほどかなかった。
むしろ────離したくなかった。
夕焼けが消えて、夜が来る。
暗いのに、どこか安心できた。
デイリーランキング64位。。!!✨️💖
ありがとうございます。。🙇
これからも頑張るのでよろしくお願いします(*^^*)













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。