第3話

綺麗な君に月を添えて
3,213
2024/04/14 13:38 更新
jn×jm

嗚咽表現、過激な内容が2話へ続きますので苦手な方は閲覧注意です(♪)



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深夜3時過ぎ、今夜も響く彼の甘い声が耳を掠めた。


部屋にまで微かに響く嗚咽、咳き込む声、泣きながら自分の名前を呼ぶ綺麗で汚くて世界で一番好きな声が耳奥までを犯したのだ。



ここ最近は毎日のように続くジェミンの精神的苦痛には、ジェノも悩まされている。
眠いのを耐え、ジェミンが居るであろうトイレへと身を速めた。


暗い廊下に一つ明るく光るトイレの電気と、少し開かれたドアを確認して静かに駆け寄った。



「ナナ。また勝手にこんな事してるの。」



出来るだけ言葉は冷たく。だがそれを裏腹に優しく優しく何度もジェミンの頭を撫でる。まるで小さな子供をあやすようにだ。




「っ、ぉ゙ぇ、ん゙、ふッぅ゙、」



目の前で繰り広げられる恋人の嗚咽に思わず顔を歪めてしまう。だがそんな事も日常化されてしまっては、嫌でも体は反応しなくなるのだろう。




「ん、ジェノっ、ジェノ、」


「うん、ナナ。ここに居るよ。大丈夫」





抱き着いてきたジェミンを優しく抱き締めれば、大丈夫大丈夫と声をかけ続けた。





ジェミンがこうなってしまった月日を辿れば、そう簡単なものでもない気がする。
綺麗な春を迎えジェノが新たな仕事先を見つけ、帰りには歓迎会といった素敵な祝福をしてもらったことが始まりだった。ジェノ自身、大勢の人数で会食するのは疲れてしまうからとジェミンには予め早く帰ってくると伝えていたのだ。
だがその日ジェノは日付が変わっても帰ってくることはなかった。ジェミンの怒りは心配へと変わる。事故に巻き込まれたのではないか、何か起きてしまったのではないかと。だがジェミンを可笑しくさせたのはその後だ。ほんの少し、あり得ない事を考えてしまった。




他の人と関係を持ってしまったのではないか、と。自分に飽きることなんてないだろうと言う安心から日々のことを干渉しないジェミンだが、流石に不安になってしまう。連絡もなければ帰って来る気配もない。そんなジェノに不快感を覚えてしまえば、もう戻れない。捨てられる事実を受け止められずに、ただ一人で泣き潰れていたのだ。




普段自分に向けられているあの笑顔を誰かに見せているのだろうか。そんな事を思ってしまった矢先、ジェミンに吐き気が襲った。妬み、悲しみ、虚しさ、ジェミンの辛いという感情を産み出す細々な感情が涙を流す。


「ぁ、ぉ゙ぇ、ジェノッ、ん゙ぅ゙、」




吐き出されたジェミンの胃液が透き通って綺麗に輝く。もう何も出ないよ、と体が悲鳴を上げているように。何度も何度も嗚咽を繰り返しても暫くするとなにも出なくなった。
綺麗なジェミンの胃液が、窓の月に照らされる。



そう、これが二人を汚す事の発端だった。




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初めまして挨拶が遅くなりごめんなさい。!!
2話目はノミンにしてみました〜〜。完全完璧自分の好みをギュッと最大限に詰め込んだお話をこれからもマイペースに上げていくので是非楽しんで見てください(♪)

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