朝の光に揺れるカーテン。
目を覚ますと、隣にいる彼の横顔が目に飛び込んでくる。
恋人であり、研究者であり、そして何よりも、私を一番甘やかしてくれる人。
低い声が耳に心地よく響く。
寝ぼけ眼の私に、彼はそっと額に口づけを落とした。
彼はクスッと笑って、腕を伸ばし、私を自分の胸へと引き寄せる。
時計の針なんて見なくても、この時間が特別だとわかる。
付き合い始めてからというもの、彼はとにかく甘い。
外では落ち着いた大人っぽさ全開なのに、私といるときは笑ってばかり。
さらりとそういうことを言ってくるのが、ずるい。
年下の私には到底勝てない大人の余裕で、気づけば頬が熱くなっている。
少し照れながらも堂々とそう言う彼に、私はいつも心を掴まれてしまう。
ある日の夜。
机に広がるレポートや原稿を前に、彼は忙しそうにキーボードを叩いていた。
邪魔をしちゃいけないとわかっていながら、私はぽつりと呟いてしまう。
手を止めた彼が、驚いたように私を見た。
心の奥に潜んでいた不安が言葉になった瞬間、涙がこぼれそうになるが、
忙しい彼に迷惑かけまいと、必死にこらえる。
けれど彼は席を立ち、私の前にしゃがみ込むと、両手で優しく頬を包んだ。
彼の真剣な眼差しに、不安は溶けていった。
涙の代わりに笑みが零れ、私はただ頷くしかなかった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!