Girl side
寒かったので、今日は鍋。
ホカホカのキムチチゲ鍋の支度ができたあたりで、辰哉が帰ってきた。
二人で食卓を囲んで、いただきます。
こんな時間も随分慣れた。
あ、と何かを思い出したように辰哉がカバンの中からベルベッドの箱を取り出した。
開くと、そこにはリングが一本。
細身のそれは、確かに結婚指輪を邪魔しないデザイン…なんだけど。
絶対高いでしょ…っていうデザインに、ジトッとした目が向いてしまう。
いや、嬉しいんだけどね?
言葉は少ないけれど、彼の想いはいつも私の胸に、まっすぐ届く。
そんな彼のことがきっと、彼が思っている以上に、私は大好きなんだ。
彼の前に差し出した一枚の写真は、まだ私のお腹に宿ったばかりの新しい命。
泣きながら何度もうなずく彼の姿を見て、改めて彼の奥さんになって良かった、とそう思った。
作者です。
9人9連投を、月に1回くらいのペースで、出来ればいいなって思いました。
ショートストーリーだけど、楽しんでもらえると嬉しいです。
今回は、いい夫婦の日がテーマです!
深澤さんは間違いなく、いい旦那に、いいお父さんになると思うんです!!(確信)
という確信を持って書きました←
最後にー!!
活動報告ページを作りました。
もし良かったらこっちもよろしくお願いします!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!