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第13話

13話
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2025/05/24 12:00 更新


重く鋭い空気が漂う中、私の頭の中では只々混乱が渦巻いていた。
目の前には続々とヴィランたちが姿を現し、にやにやと気味の悪い笑顔を浮かべながらこちらをじっと見据えている。
心臓がぎゅっと掴まれているみたいに、息がうまくできない。
ツーっと冷や汗が背中を伝う。
自分はもしかしたらここで死ぬかもしれない、その言葉が頭によぎっては離れない。
体が震えて、全身の筋肉が強張っていく感覚がする。

耳郎響香
大丈夫、大丈夫だから
あなた
…!!


そんな考えを断ち切ったのは、震えて今にも泣きそうな声だった。
その声はなによりも私の心を明るくしてくれる一言で、いつの間にか体の震えは止まっていた。
私は、微かに振動する耳郎ちゃんの手を優しく包み込む。
すると、震えはぴたりと止まり、ぎゅっと私の手を握り返した。

相澤消太
やはり先日のはクソ共の仕業だったか

先日の、というのが何かはわからないが、雄英に手を出したのはこれが初めてではない、ということだ。
邪悪な雰囲気を身に纏う彼らからは、立っているだけでも怯んでしまうような恐怖を感じる。
殺される。それだけで脳が埋め尽くされるくらいに。

死柄木弔
どこだよ、せっかくらこんな大衆引き連れてきたのにさ
死柄木弔
オールマイト、平和の象徴がいないなんて…
死柄木弔
子どもを殺せばくるのかな?


まるで当たり前かのように発された言葉に、私は思わず後退りしてしまった。
周りからはヒッ、と息を呑む声が聞こえる。
確かに聞こえた言葉。それはヴィランはオールマイトを狙っているのかと思わせる一言だった。
その言葉を聞いて浮かぶのは、一体、なんのために、とだけ。

轟焦凍
先生、侵入者用センサーは
13号
もちろんありますが
轟焦凍
現れたのはここだけか、学校全体か…
轟焦凍
何にせよセンサーが反応しねぇなら、向こうにそういうこと出来る個性がいるってことだな
轟焦凍
校舎と離れた隔離空間、そこにクラスが入る時間割、バカだがアホじゃねぇ
轟焦凍
これは何らかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ


ヴィランの数は私たちの倍以上。
学生ヒーローとしてまだまだ未熟な私たちでは相手はできない。
ましてや相手がオールマイトを狙ってるとなれば、相手はそれほどの手数や実力があるということになる。
どんどん空気がずんと重くなって、その場に拘束されているみたいに動けなくなる。
怖い、逃げたい、死にたくない!
そんな言葉が脳を行き来しては、必死に腹の奥底へと押し込む。
口に出せば、みんなが不安になる。
そうわかっていても、気を抜けば口からこぼれていきそうだった。

相澤消太
13号、避難開始、学校に連絡試せ
相澤消太
センサーの対策も頭にあるヴィランだ、電波系の個性が妨害している可能性もある
相澤消太
上鳴、お前も個性で連絡試せ
緑谷出久
先生は!?一人で戦うんですか!?
緑谷出久
あの数じゃいくら個性を消すっていっても…
緑谷出久
イレイザーヘッドの戦闘スタイルは敵の個性を消してからの捕縛だ。正面戦闘は…
相澤消太
一芸だけじゃヒーローは務まらん。13号、任せたぞ


そんな言葉を言っては、先生はヴィランの波に突っ込んでいった。
先生の背中はとても大きく、頼もしく見えた。
しかし、その中でもやはり希望を打ち消す言葉はいくらでも頭の中に浮かんでくるわけで。
私はそんな言葉を殺すように、自分の腕にぐっと爪を立てた。
大丈夫、先生なら。
まるで毒のように、その言葉を身体中に巡り巡らせた。
そう考えていれば、虚しく残酷な未来の可能性なんて、1ミリも感じないでいれる。

上鳴電気
ちょっと焦りすぎだっつの


顔を上げれば、先生の指示通り、学校への連絡を試している上鳴さんがいた。
ポン、と私の背中をやさしく叩いたかと思うと、少し強張った声で言った。
けれど、その言葉だけは明確に、堂々と発した。

上鳴電気
大丈夫だって、絶対。
あなた
…誰が人のこと言えるんですか


そう言うと、上鳴さんはぎこちなく、カタカタと震えながらも、にっと笑った。
そうだ。じろちゃんも、上鳴さんも、逃げ出したくなるくらい怖い思いをしてる。
私1人がブツブツと小言を言ってもなにも状況なんて変わらない。
ふーっと深呼吸をして、息を整える。
学校へ行けば、助けを呼べる。
先生がヴィランと交戦してくれているため、敵がこっちに来ることは——

黒霧
させませんよ。
あなた
………


どうやら涙彩、まだフラグを回収させない系の進行はまだ難しかったようです。
とほほと涙を流す私の目の前に現れたのは、黒い霧を纏ったヴィラン。
黒く気体のような体に見える黄色い目は、鋭く私たちを捉えた。

黒霧
初めまして、我々はヴィラン連合。
黒霧
僭越ながら、この度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは
黒霧
平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思ってのことでして


まるで、鈍器で頭を殴られたようなみたいだった。
これまでの不安、絶望、焦りが一気に溢れ出して淀んでいく。
平和の象徴、オールマイト。
世界の希望を乗せたその人物を、殺す。
その発言は想像していたよりもはるかに重く、心を灰色に曇らせていった。

黒霧
本来ならばここにオールマイトがいらっしゃるハズ。
黒霧
ですが、何か変更があったのでしょうか?
黒霧
まぁ、それとは関係なく、私の役目はこれ


その瞬間、誰かがその黒に飛び込んでいくのが見えた。


切島鋭児郎
その前に俺たちにやれることは考えてなかったか!?


切島さんと爆豪くんだ。
やはり、実体がないのか攻撃は通らない。


黒霧
危ない危ない…そう、生徒といえど優秀な金の卵
黒霧
私の役目は散らして嬲り殺す!!


目の前が霧に包まれ、一瞬で視界が黒に侵食されてしまった。
かと思えば、ふわっと体が浮いて体が吸い込まれていく。
どんどん地面と手は離れていき、最後に伸ばした手も霧に吸い込まれていった。







更新ほんとにすいませんでしたぁぁ!
予定があったのが2割、続きを考える力がなかったのが8割です。
ほんとに申し訳ありませんでしたぁぁぁぁ!!!
多分、次の更新も何ヶ月か時を超えてやってくると思いますが、
首を長くしてお待ちいただけると幸いです…



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