第112話

ᴇᴘɪꜱᴏᴅᴇ:𝟣𝟣𝟣
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2025/11/02 03:00 更新




カシャン、と銃の落ちる音がした。

男の呻き声が響いて、次に瞬きした時には俺を押さえつけていた男も宙に浮いている。


目線の先ではふわりとスカートの裾が舞って、眩いほどに艷やかな黒髪が踊る。



見たことのない姿。



けどその美しすぎる紫の瞳と、凛とした声は彼女そのものだった。


江戸川 コナン
あなたさん…。
橘 あなた
ごめん、遅くなったね
橘 あなた
今ほどくから…


橘 あなた
他のみんなは大丈夫?
橘 あなた
怪我はない?
灰原哀
えぇ、みんな無事よ

あなたさんが着々と縄を解いていると、その後ろから複数の足音が聞こえてきた。

???
あなたー!無事ー?
???
…これはこれは、派手にやりましたね
江戸川 コナン
誰だ…?



現れたのは見覚えのないショートカットの茶髪の女性。

…そして、見慣れた金髪、どこか余裕のありそうな男。


橘 あなた
ちょっと、見物する余裕があるなら捕獲協力してくださいよ、自称探偵さん












安室透
相変わらず釣れない人だなぁ


安室さん___




どうして、安室さんが…









誘拐犯はあなたさんを介して警察に引き渡された。

完全に非番だったらしく、私服姿のあなたさんを見て佐藤刑事が目を輝かせて「ちょっと、その服可愛いわね!」なんて女子トークが始まりかけていた。


一方安室さんは誰かと電話をしており、真面目そうな顔をしていた。

そもそもあなたさんと安室さんにそこまでの接点はないと思っていたのだが、どうやらあの2人はそれなりの軽口を叩けるくらいには面識があるらしい。


江戸川 コナン
あなたさん、助けに来てくれてありがとう
橘 あなた
どういたしまして。
橘 あなた
君から電話が来たときは何事かと思ったけど、とりあえず大事にならなくて良かったよ
釘崎野薔薇
厄介事にならなくて良かったわ
橘 あなた
野薔薇も警察への説明してくれてありがとうね
釘崎野薔薇
お安い御用よ


茶髪の女性…野薔薇さんは、あなたさんの知り合いで、恵さんと同じ学校に通っている人らしい。


今回の誘拐犯を捕縛したり、警察への事情説明も難なく済ませていた。その時に、恐らくだが学生証らしき物を見せていた。それを見て佐藤さんや、他の刑事たちも少し驚いていたのが気になる。


江戸川 コナン
…ねぇ、野薔薇さんって都内の進学校とかに通ってるの?
釘崎野薔薇
…う〜ん、別にそういう学校じゃないけど
釘崎野薔薇
ま、確かに簡単に入れるトコじゃないわね
釘崎野薔薇
入りたくて入るようなとこでもないと思うけど
釘崎野薔薇
ね、あなた?
江戸川 コナン
え?あなたさんも…?
橘 あなた
え、えぇ〜…なんでその話題私に振るのさ
釘崎野薔薇
いいじゃない、減るもんじゃないし
橘 あなた
まぁ誰彼構わず入れるトコじゃないのは同意かな、才能ありきって感じだし


この2人、中々ガードが高いな。

野薔薇さんの背丈的に高校生か大学生か分からないから、どっちかがボロを出すかと思って質問してみたけど…高校か大学かどちらかの判別もさせてくれなかった。


野薔薇さんがあなたさんに話題を振ったってことは、もしかしたらあなたさんは野薔薇さんの通う学校が出身校なのか?


橘 あなた
……。
橘 あなた
コナン君、どうせまた私達のこと詮索しようとしてるでしょ
江戸川 コナン
…えっ!?してないよ!?
橘 あなた
そう?君が考え事するときは、だいたい”そういう”事だと思ってるからさ
江戸川 コナン
ぼ、ぼくそんな詮索なんてしないよ〜!
橘 あなた
ま、今日はもう遅いからコナン君は私達が送っていこうかな
橘 あなた
他の3人は美和子さん達が送ってくれるから、茶髪の女の子も一緒に送っていくよ
江戸川 コナン
あ、うん…ありがとう…
彼女は「じゃあそこで待ってて」と歩いていった。



やっぱり怖ぇなこの人…安室さんもだけど、一切侮れない…

簡単に騙されてくれねぇんだよな

釘崎野薔薇
…なんか色々考えてるみたいだけど、あんまりあなたのこと探らないほうが良いわよ
江戸川 コナン
…え?
釘崎野薔薇
あの子、あんた達が思うより強くないから
江戸川 コナン
(…あの子?)


どうしてその呼び方なんだ?

釘崎野薔薇
…てか、もう一人の子呼ばなくていいの?
江戸川 コナン
え、あぁ…アイツなら家の人が迎えに来てるから大丈夫だよ


灰原は沖矢さんが迎えに来てたから大丈夫。


当の本人は嫌そうにしてたけど…。




それよりも、やっぱりあなたさんが気がかりだ。


聞くチャンスがなかったけど、警察の時と違って黒髪ロングだったし。

それに…俺の推測が正しければ、公園で助けてくれたあの女性もきっと彼女と同一人物だ。







本当に、彼女は何者なんだ…?



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