年中寒いとこなんてそんなにない。
ましてや子供が用意できるところなんて限られている。
それでレイラーが出した結論は
冷凍庫に雪だるまが入るかはともかく、
普通の家の中で年中寒いとこなんてそのくらいしかない。
そんな何気ない会話をしながら
レイラーはみぞれを運んでいる。
その途中
ザク…ザク…ザク
足元の雪を落としながら飛んで階段を登っている。
そう、この雪だるまジャンプして階段を登っているのだ。
そしてその光景を目の当たりにした私は
脳のキャパが追い付かなくて頭がショートした
本当は崩れた雪を拾ったりなんだりしないとなのだろう。
だが今の私はそれすら理解できない!!!
なんか正気を取り戻した。
とりあえず冷凍庫入れよう
それから何週間かたって
すっかり季節は春になった
私が見せようとしているのは桜の景色。
せっかくなんだからただ季節を越えるだけじゃなくて
ちゃんとその季節を生きてるって実感してほしいから
みぞれもんが驚くのも無理はない。
だって桜の景色を見たことがなかったんだから。
雪だるまは雪景色以外を知らない。
知るはずもない。
でもみぞれもんだけは今見ている。
優しい人間のおかげで見えている。
二人が見とれる景色はとても綺麗だった。
力強く華を支える幹は、二人の将来にも見える。
そしてひらひらと舞い落ちる花びらは、どこかあの日の雪にも見える。
その二人…一人と一体の声は、直接お互いの頭に残り続ける_


















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。