第63話

諸伏妹 × 宮野兄 コラボ!!〈前編〉
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2024/09/16 10:02 更新






「会いたい………」


空を見上げる。
僕の目に映ったのは、満点の星空。

ロマンチックな光景で
1人、切実な願いを馳せる。






「また、あいつらに………」











降谷
「明日は僕との任務だろう?
忘れるなよ。」


「……分かってる。」








急に零くんに話しかけられてびっくりしたけど、
幸いさっきの言葉は聞かれてないみたい。






僕は空を見上げて少し笑い、
そのままその場を去った。













その日は、流星群が綺麗な夜だった。
























コラボです!

前回同様、ややこしくないように
吹き出し無しで行きます←







今回のコラボ相手様の作品↑↑↑



えっと、ややこしくないように少しだけ説明


宮野兄
公安警察。組織に"カサブランカ"と言う名で潜入中。
ポアロでも働いている。










ではどーぞ!





















[1日目]  〈諸伏あなたSIDE〉


諸伏あなた
『ん……』



目が覚めて真っ先に覚えたのは若干の違和感。

部屋の感じ。不自然な静けさ。




(何だ、ここ………)


スマホの電源を入れる。
いつもなら、陣平さんが絶対起こしに来る時間。



『陣平さ〜ん?』

仕方なく眠い体を起こし、
リビングへと行く。



『…………。』



いろいろおかしい。


まず、自分の声じゃない。
何か……低くなってる……?



まあ風邪かもな、と説明がつく。これは。


でも……家が明らかに違う。

   


『ここ……私の家じゃない……』


最悪の可能性が頭によぎった。
慌てて洗面所を見つけ、鏡を覗く。
   


『誰……っ!?』


綺麗な金髪に緑の瞳。
どこかエレーナさんを想起させる容姿………


私がしばらく鏡の前で立ち尽くしていると、
さっきいた部屋から微かに電話の音が聞こえた。




『………えっと、』


自分が誰かもわからない状態だけど
とりあえず出たほうがいいだろう。

そう思って通話ボタンを押した。




バーボン
「何をしているんです、カサブランカ。
貴方が遅刻とは珍しい。」


『……っ!!』


   


思わず耳からスマホを遠ざける。

零さんの声だけど、どこか甘い声……


もう一度スマホを見る。










         "bourbon"



『え』


驚いてスマホを取り落とす。
ベッドの上だから無事で助かった。



バーボン
「…本当にどうしたんです?」


取り落としたスマホから
遠いバーボン…の声が聞こえる。



『あえっ、いや、あの……』


バーボン
「…今からそっちに行きますね。」

『え、』


 
何かを言い返す暇もなく切られる。






(……まいっか、)


大人しく零さん…バーボンか、
に事情を説明しよう。
























降谷
「あなた。」


『あ、はい。』



ドアを開けると名前を呼ばれる。
………ん、この人もあなたって名前なのか……?

降谷
「今日どうした。何かおかしいぞ?」


『いやっ……………。…………』




おかしいぞと言われましても。
私が叫びたいそのセリフ。



降谷
「……あなた?」


『あのぉ…………』



もう覚悟を決めて言うことにした。
信じてもらえるかわからないけど……、





『私は……誰ですか?』


降谷
「…………は?」























降谷
「つまり君はヒロの妹、と。」


『いやっ…………はい。』


正確には違うんだけど。
こっから転生したとか過去に飛んだとか話までしたら
余計こじれるだけだ。



降谷
「…………なるほど。分かった。」


『え、何がですか…?』


降谷
「任務の方は僕に任せて。
君は戻る方法だけ考えていればいい。」


『ありがとう、ございます……』



でも、
零さんにエレーナさんの息子さんだと聞かされ、

好奇心から聞いてしまう。





『あの…あなた…さん?は普段何をしている人なんですか…?』


降谷
「……ポアロで働いているよ。」


『え、今日シフト入ってます…?』


降谷
「今日は…そうだな、入っていたと思うぞ?」


『え、じゃあ………私ポアロで働いてみたいです……』


降谷
「………え。」




キャンセルを入れようとしていたのか、
スマホを触っていた零さんの手が止まる。





降谷
「でも……」


『大丈夫です、バレないようにやります!』



零さんはしばらく額に手を当て俯いていたが、
覚悟を決めたように顔を上げた。

どこか遠くを見るような目で。





降谷
「…分かった。今日は僕も入っているからサポートする…」


『ありがとうございます、零さん!』


降谷
「零くんと呼んでくれないか……」




その姿で零さん、と呼ばれるのは違和感があるんだそう。
努力します、とだけ返しておいた。
























『いらっしゃいませ〜』


喫茶店で働くのは初めてだから、
単純に楽しんでるだけなんだけど。

そうこうしていると見慣れた顔ぶれが入ってきた。



歩美・光彦・元太
「こんにちは〜!」


安室
「いらっしゃい。何にする?」


歩美
「歩美ハムサンド!」


元太
「オレも!」


光彦
「僕もです!コナン君たちはどうします?」


コナン
「俺はコーヒーだけでいいかな。灰原は?」



「…私もコーヒーで。」



私がボロを出さないように
接客の方は基本零さんがやってくれた。




『はい、お冷です!』


5人にコップを持っていき配る。



『どうぞ。』



「ありが……」



コップに手を伸ばした哀ちゃんの手が一瞬止まった。





コナン
「どした?灰原。」



「…いいえ、何でもないわ。」


つられてコナン君も私の方を見てくる。


(うっ…やっぱ哀ちゃんにはバレたか…兄妹、だもんな…)

コナン君にもバレそうだけど。



コナン
(……何してんだ?あなたさん。)

ジト目を向けられた。





「…ねえ、私もう帰りたいわ。……送ってくれない?」


『え、うん!分かった。』


いつも送ってあげてるのかな…
なら合わせたほうがいいだろう。


零さんの方に視線を向けると
あとは僕に任せて、とでも言うように頷いてくれた。






















「貴方…誰?」


『………やっぱバレちゃうよねぇ〜……』




……待って、今更だけど
あっちの世界の…あなたさん?は
今頃陣平さん辺りに疑われてたりするのだろうか……。


『私は…えっとね、なんか入れ替わっちゃったみたいなの。』



「入れ替わった……?」


『うん…ごめんね、すぐに返す…から。』


哀ちゃんのお兄さんを。
………戻り方なんて私にもわからないけど。



「名前は?私達のことは知ってるの?」


『私もあなた。知ってるよ、こっちにも哀ちゃんいるから。』



なんか複雑。
私の知ってる哀ちゃんと…今話してる哀ちゃん。

同じ女の子なはずなのに、違うんだよね。



「…何か体に不調があれば教えて。
私理科は得意分野なの。」


『うん、ありがとう。』


得意分野なんてものじゃない気がするけど。



「…誰か来たみたいね。」



哀ちゃんがインターホンの音を聞いて
ドアまで歩いていく。

私はそれについて行った。





『零さん…!』


降谷
「……零くんだ。」


部屋の中を見渡して
私達だけなのを確認したのか、一気に零さんモードになる。

哀ちゃんも零さんのこと知ってるってことかな……




「……どうしたの。私のお兄ちゃんに何か用?」


降谷
「ああ、君のお兄ちゃんに忘れ物を届けに来たのさ。」



「あら…ごめんなさいね。私のお兄ちゃんが。」



わざとらしく二人がお兄ちゃんを連発するので
私はどうしても居心地が悪くなってしまう。





『あのー……』


降谷
「あなた、これ忘れてたぞ。」


『あ、ありがとうございます!』




それを受け取って私は阿笠邸を後にした。

次の日起きて戻っている保証はなかったけど、
私は哀ちゃんのお兄さんに宛てた手紙をおいてあったノートの隅に書いた。


























[1日目]   〈宮野あなたSIDE〉



色々言いたいことがある。
まず僕は誰だろう。


鏡を見るとロングの黒髪。
僕より少し幼げな顔が怪訝そうに僕を見つめ返している。




宮野あなた
(ん〜………)


一旦目を瞑り考え込んでいると
リビングから懐かしい声が聞こえてきた。




松田
「あなた何やってんだー?そろそろ行くぞー」


『…………え?』




いや……え?
………幻聴かな。

幻聴の可能性にかけてリビングを覗きに行く。
そこにいたのは、紛れもなく僕の同期の……




松田
「何だ、まだ着替えてねぇのか?遅れんぞー」


『松田……?』


松田
「………は?」


僕のその言葉を聞いて
朝ごはんをテーブルに並べていた松田がこっちを振り返った。

そのままずかずかと歩んできて僕を見下ろす。




松田
「どした?夢でも見たのか。」


『え……』


松田
「普段は陣平さんな癖に。」




それだけ言うとまた松田はキッチンに戻る。




(……待って、)
朝起きたら入れ替わっていた体。
生きている松田。

もしかしてこれは…僕の世界とは別世界なんじゃないか。




『…今日はどこか行く……の?』


松田
「何言ってんだ、あいつらと海に行くんだろ?
ほら着替えてこい。」


『は〜い!』


タメか敬語か迷ったけど、
さん付けならば多分敬語で合ってる。

僕は着替えて髪をくしでとかし、松田が作った朝ごはんを食べた。

案外美味しかった。
























萩原
「海〜!!」

萩の言葉に呼応するように
波がザザン……と打つ音がする。


(まさか……本当に会えるなんてね。)



流星群に願ったことが実現しちゃった。



松田
「っし……はしゃぐか!」


ばしゃっ


降谷
「うわっ!」


水をかけられた零くんがしばらく俯いたまま立ち尽くす。

それを見て萩があちゃーという顔をし、
松田はにやにや笑ったまま零くんの方を見ている。



降谷
「やったな……!」



服にかけられて激怒するかと思えば、
顔を上げた零くんは笑っていて。

松田に水をかけかえしていた。



(……ふふっ、)

変わらないなぁ……みんな。




『よっし…!』


伊達
「うわっ!やったなあなた…!」


『ちょっと班長!』


水をかけ合うみんなはすごく楽しそうで。
僕も混ざりに行った。


(……あ、景……)



見ると、景だけ苦笑いで僕達を見ている。

どうしたものか考えていると、ふいに僕の視界から
松田と萩が消えた。



(あ、ご愁傷さま〜…)


萩原
「な〜に辛気臭い顔してんの…!」


松田
「優等生気取りは終わりだ!」


諸伏
「わ……っ!」


唯一綺麗だった景の服も濡れていく。



(……楽しい。)
過去に戻れたみたい……


降谷
「考え事かあなたさん!」


『零くんかけすぎ!』


もう僕の服はびしょびしょだ。



そんな僕の言葉を聞いて、
萩に水をかけていた景が手を止める。



諸伏
「やっぱり……ねぇ、あなたじゃないよね?」


『………え?』


松田
「やっぱか?なんかおかしいよな。」


景と松田だけ僕を怪しんでいて、
他の三人は不思議そうな顔をする。



諸伏
「あなたはさん付けだからね。」


松田
「俺らに対して敬語だしな。」


諸伏
「…俺のほうが先気づいたよ。」


松田
「何張り合ってんだ?諸伏の旦那よぉ……」



……なんかバチバチしだした。
そっか、僕今別人と入れ替わってること忘れてた……


降谷
「…そう言えば、あなたは僕のこと零くんとは呼ばないな。」


『あ、そなんだ。』

何かもう…別人ってことはバレてるみたいだったから、  
包み隠さず話すことにした。



























降谷
「え、宮野って……」


萩原
「誰。」


まあ…そうだよね、
零くん以外は僕の家族と対面なかった…気がするし。


諸伏
「あ、もしかして明美さんの……えっと、」


『あ、弟の方!双子だけど…』

そっか、景は組織で接点あったな〜…


降谷
「あ、男か。」


松田
「あ?悪い、女かt((」


萩原
「陣平ちゃん!!」


『いいよ、よく間違えられるし。』


なんか…出会ったときと似たような会話を繰り返してる。



景光
「…じゃあ、帰る?知らないやつといてもつまらないかもだし…」


『いや、知ってるよ?僕君らと同期だから!』


降谷
「そうなのか…!?」


萩原
「ほら、あなたちゃんもそう言ってるし遊ぼうぜ〜!」




萩は言うが早いかまた景に水をかけて、
そこからまたふざけ合いが始まった。



松田
「ははっ……どうすんだよこれ。」


降谷
「帰れないじゃないか……」


呆れたようにそう言う零くんも笑っている。



萩原
「いっそのこと泊まっちゃう?」


伊達
「いいな!朝起きたら買った服でも着て帰っか!」


降谷
「いや、でもあなたさん……」


『僕はいいよ?男だし。』


諸伏
「…ま、いっか。ゼロ、仕事の方は大丈夫?」


降谷
「明日は午後からポアロがあるだけだし大丈夫だ。」


松田
「決まりだな!っし、走るか!」



松田が急に口角を上げたかと思えば走り出す。




降谷
「おい待て!」


諸伏
「松田…!」


『ちょっと〜……わっ!』



僕も後に続こうとしたけど、
慣れない体は走りにくい。




諸伏
「大丈夫?あなた。」


『……うん、ありがと〜!』



そのまま一人で突っ走る松田を
みんなで疲れきるまで追い続けた。


























『…そういえばこれ、どうしよう。』


諸伏
「入れ替わってるんだよね。」


『そう……』


松田
「知らん。寝たら戻ってるんじゃね?」


『うわてきと〜……』




そのまま松田が寝ちゃったし
僕も寝ようとしたけど……



(でも…本当に戻るかもな……)



なら、この人に感謝を伝えたい。
あなたちゃん…だっけ、と入れ替わることがなかったら
僕の願いは叶わなかった。

僕が流星群に願ったせいかはわからないけど、
巻き込んでしまってるし。




(……うん、やっぱり書こ)


あなたちゃんに宛てた手紙を。






























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