side.田中樹
健人が運転する車に乗って、2時間ぐらい6人で話しながら向かう。
どうやら北斗は俺らが裏切ってしまっていたときも、ずっと俺らのことを大切に想ってくれていたらしくて。
なんでこんなに健気な子を、傷つけるような真似をしたのだろうと自己嫌悪に陥ったのは内緒。
口に出したら多分、北斗に怒られちゃうからね。
着いたのは、見覚えのある砂浜。
Jrのときから、俺らの心の拠り所だったこの場所。
俺だけだと思ってた。
秘密基地を、まだ覚えているのは。
でも、違ったみたい。
みんな覚えていたし、ちゃんと“秘密基地”としてこの場所は思い出に残っていた。
周りを見渡して、優しく微笑んだ健人。
北斗と最期まで一緒にいたのは、健人だから。
だから多分、健人にしか分からない北斗の感情がある。
…北斗、怖かったよな?
だって、痛いのは嫌いだって、苦しいのは嫌いだって言ってたじゃん。
それなのに、そんなに幸せそうだったの?
ここに、俺らとの思い出の場所に来れたから?
…ほんと、可愛い俺の片割れ。
不謹慎かもだけどさ、嬉しかったよ。
北斗が人生の最期をここって選んでくれて。
他のなによりも、SixTONESとの思い出を大切にしてくれて。
だから今度は、俺らが思い出を刻むからね。
だからさ…
俺らは、北斗のために頑張るからさ。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。