side.田中樹
健人の運転で連れてこられたのは、周りが木々に囲まれた素敵な家。
…ここが、北斗が住んでた場所。
そう言った健人は、俺らに同じ形をした6つの鍵と、おそらく車のキーであろうものを押し付けて去っていった。
ガレージに収められていた車。
その車に向かってキーのボタンを押すと、見事に動いた。
……え、この車を自分たちで運転して帰れってこと!?
あんなに運転できなかった…というかしなかった?
北斗が自分で運転するようになるなんて…しかも、所有車を持ってるなんて…
時の流れは早いな。
自分のメンバーカラーのキーホルダーがついた鍵を、一人一人取っていく。
北斗の分の鍵は、俺が持つことにした。
みんなが、樹が持ってなって言ってくれてさ。
普通にめっちゃ嬉しいわ。
そして、渡された鍵を使って。
高地と俺を先頭に、家の中に足を踏み入れた。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!