side.田中樹
中に入って一番に思ったのは、“北斗らしいな”ということ。
北斗らしい、シンプルでオシャレな内装。
それだけでも北斗を感じられて、少しだけ泣きそうになった。
そんなきょもの言葉に引き寄せられるかのように、リビングであろう部屋に入る。
中に入った俺らの目に飛び込んできたのは、テーブルの上に散らばるたくさんの書類だった。
何気なく手に取って、目を通した書類。
それは、俺の心を抉るにはもってこいの情報で。
書類を握りしめながら崩れ落ちた俺に、みんなが駆け寄ってくる。
知りたくなかった。いや、隠されてるぐらいなら知りたかったのかもしれない。
俺の叫びを聞いて、4人とも察したらしく。
目を見開いて、手を握りしめている。
返せ、返せよ!!
馬鹿野郎、俺の馬鹿野郎…!!
北斗、北斗、北斗。
北斗は今、あんな冷たくて怖くて、暗い空間に一人でいるのかよ?
バカ、馬鹿だよ北斗は……
俺のことなんて、放っておけばよかった…!!
なんで、なんで…!!!
涙が溢れて止まらない。
この景色が、見えている景色が。
全てが、北斗の犠牲によって成り立っていたものだと知ったから。
もう、素直に自分の視界を喜べなくなっていた。
隣で、色んな書類を見ていた高地が震えながら声をあげた。
全員の注目を集めた高地は、ゆっくりとその封筒を見せてきた。
“遺書(SixTONESのみんなへ)”と書かれた、その封筒を。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。