第7話

儀式 2
1,087
2023/12/27 10:29 更新


おんりー
おんりー
〜〜〜〜、〜〜……


幼さを残す声が しんとした会場内に響き渡る。
僕はおんりーの少し後ろの方で、儀式に使う神具を持って待機していた。




僕の出番はあんまりないんよね。


……さすがに何十万人もの視線があったら、立ってるだけでも緊張するけど。


でも、たった1人で長い台詞を唱え続けるおんりーに掛かるプレッシャーは、僕とは比べものにならないだろう。
……がんばれ、おんりー!















そうして、あっという間に儀式の最後に差し掛かった。


ここまで、おんりーは何一つミスをしていない。

ものすごい量の台詞だったはずなのに……

ほんと、すごいなぁ


最後の僕の役割は、この持っている聖典をおんりーに渡すこと。

転びでもしなければ、失敗することはない。





……よし
僕は慎重に一歩ずつ歩みを進める。
うぅ、一挙手一投足 見られてる感じがする……




あとちょっと………














その時、突然つま先に何かが引っ掛かる。


体制を崩した僕の足は地面から離れた。
おんりー
おんりー
っ!
おらふくん
おらふくん
あ……
え、どういうこと…?
ステージに凹凸おうとつなんてないはずなのに……っ!


誰かに足を取られた?

確かに、ステージの端には何人かの側仕えが待機している。



でも……

そんなことするはず、ないよね?


僕は次に襲ってくるであろう衝撃に備えて目を硬く閉じた。

















あれ?
痛く……ない?
恐る恐る目を開けると、僕は何事もなかったかのように立っていた。
え?なんで…?





顔を上げた先でおんりーと視線がぶつかる。
軽く頷いていた。





多分、おんりーが助けてくれたんだ。
あとで お礼言わなきゃ。


とりあえず、今は儀式に集中しよう。







結局その後は、特に何事もなく儀式は終わった。
ステージから退場して一息つく。


つまづくなんて、ひどいミスしちゃったな……


でも、とりあえず最後まで出来てよかった。
おらふくん
おらふくん
終わったね…




しばらく待っても声が聞こえないので、僕は不思議に思っておんりーの顔を見た。


おんりー
おんりー
……
……もしかして、怒ってる?
おんりーの表情は一見 無表情に見えるが、いつも一緒にいる僕には少し険しく見えた。
おらふくん
おらふくん
あの、おんりー……
おんりー
おんりー
おらふくん、ちょっと来て
いきなり僕の手を取って歩き出した。




やっぱ怒ってる…?

僕がミスしたから……、
側仕え
あ、おんりー様……
おんりー
おんりー
次の出番は30分後でしょ?
その頃には戻るから

それだけ告げて、おんりーは足早に歩き出した。
















しばらく歩くと、人気ひとけのない場所まで来る。


周りに人が居ないのを確認して、おんりーは立ち止まる。
おらふくん
おらふくん
ねぇ、おんりー……
おんりー
おんりー
マジでないんだけど
おらふくん
おらふくん
っ、ほんとごめん……
そうだよね、あんな大事な時につまづくなんて……












おんりー
おんりー
……え?なんでおらふくんが謝るの?
おらふくん
おらふくん
え、僕がミスしたから怒ってるんやろ…?
おんりー
おんりー
違うよ!そんなわけないじゃん!
おらふくん
おらふくん
…………え?じゃあ、なんで…?
おんりー
おんりー
おらふくん気づかなかったの?
おらふくん
おらふくん
何に?
おんりー
おんりー
おらふくんが歩き出した時、近くにいた側仕えが足出してたんだよ
おらふくん
おらふくん
え?
つまり、その人がわざと僕を転ばせようとしたってこと……?
おんりー
おんりー
右から2番目の、髪結んでる人。
見てなかった?
おらふくん
おらふくん
うん、緊張してて 周りなんて見てなかった…
おんりー
おんりー
それに、そいつ客席からは
見えないところにいたんだよね。
だから 見てる人はおらふくんが
ミスをしたと思ってる。
ほんと、性格 悪い……

おらふくん
おらふくん
でもなんでそんなことしたんやろ……
おんりー
おんりー
…一番前にいた貴族の二人組、
あいつらの差し金だよ
おらふくん
おらふくん
あいつらの…?
おんりー
おんりー
儀式中も ずっと薄ら笑い浮かべてて、変だと思ってたんだよ
おらふくん
おらふくん
ひどい…
あの時は、ほんとに焦ったのに……


おらふくん
おらふくん
そういえば僕、
転びはしなかったよね。
あの勢いだったら
転んでてもおかしくなかったのに…
おんりー
おんりー
あー……うん。
おらふくん
おらふくん
おんりーがなんかしてくれたんだよね?何したの?
おんりー
おんりー
えっ、と……
おんりーは少し視線を彷徨わせてから答えた。
おんりー
おんりー
ほら、前に「神の子には特別な能力がある」って言ったじゃん。
おらふくん
おらふくん
あぁ、なるほど…?


そういえば前、僕がこのお城に初めて来た時、城門を開けてたよね。

その時に言ってたっけ。
おらふくん
おらふくん
そうなんや。ありがと!
ほんと助かった!
おんりー
おんりー
なんとかなってよかったよね
おらふくん
おらふくん
でも、そんな便利な力ならもっと使えばいいのに。
おんりー
おんりー
…あんま人前で使いたくないんだよね
おらふくん
おらふくん
なんで?


おんりー
おんりー
………騒がれたくないし
おらふくん
おらふくん
……そっか
 
おんりー
おんりー
……そろそろ時間だね。
早く戻らないと心配させちゃう。
おらふくん
おらふくん
次、何するんだっけ?
おんりー
おんりー
国中の貴族と挨拶するんだよ
おらふくん
おらふくん
あぁ……
おんりー
おんりー
ほんとめんどくさい……
どうせ名前なんて覚えられないし
おらふくん
おらふくん
それを言っちゃおしまいよw
おんりー
おんりー
そうだけどさぁ……
おらふくん
おらふくん
まぁ、僕もめんどくさいけどw
おんりー
おんりー
そだ、おらふくんにあんなことをしたあいつらに報復してやろ?
おらふくん
おらふくん
報復って…w
言い方怖いよ?
おんりー
おんりー
そーお?あんな奴ら処刑してやりたい
おらふくん
おらふくん
おんりー怖っ!
おんりー
おんりー
冗談だけどw
おらふくん
おらふくん
なんだぁ……びっくりしたじゃん!


そう言いつつも、そんな様子に安心している自分がいる。


最近のおんりーは、忙しかったこともあるのか、なんだか表情が暗かった。


……神の子だからってこともあって、制約も多いしね。


だから、そんな冗談を言ってくれて嬉しかった。

やっぱり、おんりーは笑ってる顔が一番だもん。






たわいもない言い合いをしながら、僕らは会場の方へ戻った。





奏星(主)
奏星(主)
また放置してすみませんでした……
奏星(主)
奏星(主)
でも今回は長めに書いたので……
許してくださると幸いです…
奏星(主)
奏星(主)
あと 儀式のシーンも、主がイメージ出来なかったのでなんかテキトーですね…
 
奏星(主)
奏星(主)
次の投稿も間 開きそうです…
ごめんなさい!(←謝罪しかしてない
奏星(主)
奏星(主)
それでは ばいばいっ!

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