前の話
一覧へ
次の話

第14話

呪縛を解いて
1,012
2024/08/07 11:14 更新


【おんりーside】




おんりー
おんりー
おらふ、くん………
呆然と呟く。
おんりー
おんりー
なんで…ッ


どうして君が、こんなところに………




おらふくん
おらふくん
なんでって……
おんりーを止めに来たに
決まってるやろ?
おんりー
おんりー
っ、…








……やめてよ。


せっかく、死ぬ決心がついてきたっていうのに。




口走りそうになった言葉を必死に飲み込む。












君にまた何か言われたら、生きたくなっちゃうじゃん…











…だから。


おんりー
おんりー
止めるって……なんのつもりw?
おらふくんに何か言われたって
何も変わらないんだけど。

敢えて冷たい声で答える。

感情を偽るのなんて、一番得意だよ。



おらふくん
おらふくん
おんりー、………?



おらふくんの傷ついたような顔に胸が痛む。














…おらふくん、ごめん……










それでも、俺は……



あの人狂信者たちに、逆らえないから……っ











………ここまで言えば、諦めてくれるよね。


少しだけ顔を上げおらふくんの様子を伺う。






















その青い瞳は未だ強い光を秘めていた。











おらふくんは俺を見てくすりと笑った。
おらふくん
おらふくん
…おんりー、びっくりしてるでしょ?
おらふくん
おらふくん
僕なら、少しきついことを言えば心が折れて諦めるって、思ってたんでしょ?








おんりー
おんりー
そんなこと、は……
咄嗟に口をついて出た言葉が尻すぼみになって消える。







おらふくん
おらふくん
僕は、君に何を言われたとしても…
どんなに酷いことを言われたとしても
絶対に諦めないよ


おらふくん
おらふくん
泣き虫な僕は、もういないんだから。













おんりー
おんりー
………そっか。




妙に納得した気分になる。





俺は、ずっと………


君のことをちゃんと見ていなかったんだ。








無意識のうちに、ずっと、泣き虫な君のままだって
思ってたんだ。













いつの間に、そんなに強く………っ














おらふくん
おらふくん
ねぇ、おんりー。
おらふくん
おらふくん
どうして君は…
そんな頑なにアテンに行こうとするの?
おらふくん
おらふくん
何が、君の心を縛ってるの?
 
おんりー
おんりー
…………

言葉に詰まり俺はしばらく沈黙する。
















おんりー
おんりー
……これが、正しいからだよ
自分を説得するように、納得できるように呟く。




おんりー
おんりー
みんなが僕に求めてるのは、神の子
として死ぬことだけだから。
おんりー
おんりー
これが"正解"なんだよ



そうだよ。


これが正しい。






だから、俺は……


















おらふくん
おらふくん
………"正解"って、何?

おんりー
おんりー
……え、?







おらふくん
おらふくん
これは、誰のものでもない
君の人生なんだよ?
おらふくん
おらふくん
答えなんて、ないでしょ?






おらふくん
おらふくん
…まぁ、強いて言うなら……
おんりーのしたいようにするのが
"正解"じゃない?
おんりー
おんりー
そんなの……っ
おらふくん
おらふくん
おんりーの好きなようにして、
何が悪いの?
おんりー
おんりー
だ、だって……



おんりー
おんりー
 …御伽噺おとぎばなしでは、俺が生贄として死ぬ
ことで、アテンは1000年間の平和が
訪れるって書いてあるんだよ?
おんりー
おんりー
俺が好きなようにしただけで、たくさんの人に迷惑がかかるかもしれないから…


おらふくん
おらふくん
そんなの、本当かどうか
分からないじゃん?
所詮しょせん、御伽噺だよ?
おんりー
おんりー
………、












俺の、したいように……か。



















俺が、したいのは……





おらふくんとずっと一緒にいれれば、それだけで……




















………ずっとって、どのくらいなんだろう。




このままだったら、今日で終わってしまう。





俺は………どうしたいんだろう。
























おんりー
おんりー
自分で選んで……いいの…?



無意識のうちに言葉が溢れる。
俺の呟きを聞いたおらふくんがぱっと明るい表情で
目を輝かせる。







今の俺には、やたらと眩しく見えた。




おらふくん
おらふくん
うん………もちろん…っ



おらふくん
おらふくん
もう…呪縛は解いていいんだよ












その一言で、決心が決まった。








もちろん、迷いがないわけじゃない。







それでも。




おらふくんを……君を、信じているから。





これから先、この判断を後悔することはないだろう。





おんりー
おんりー
………そうだね







おんりー
おんりー
俺は…


伏せていた目を上げ、おらふくんの蒼色の瞳を見つめる。


おんりー
おんりー
運命の言いなりにはなりたくない。

おんりー
おんりー
まだ………生きていたい。





俺の言葉を聞いて、おらふくんは嬉しそうに顔を綻ばせた。





 



プリ小説オーディオドラマ