【おんりーside】
呆然と呟く。
どうして君が、こんなところに………
……やめてよ。
せっかく、死ぬ決心がついてきたっていうのに。
口走りそうになった言葉を必死に飲み込む。
君にまた何か言われたら、生きたくなっちゃうじゃん…
…だから。
敢えて冷たい声で答える。
感情を偽るのなんて、一番得意だよ。
おらふくんの傷ついたような顔に胸が痛む。
…おらふくん、ごめん……
それでも、俺は……
あの人たちに、逆らえないから……っ
………ここまで言えば、諦めてくれるよね。
少しだけ顔を上げおらふくんの様子を伺う。
その青い瞳は未だ強い光を秘めていた。
おらふくんは俺を見てくすりと笑った。
咄嗟に口をついて出た言葉が尻すぼみになって消える。
妙に納得した気分になる。
俺は、ずっと………
君のことをちゃんと見ていなかったんだ。
無意識のうちに、ずっと、泣き虫な君のままだって
思ってたんだ。
いつの間に、そんなに強く………っ
言葉に詰まり俺はしばらく沈黙する。
自分を説得するように、納得できるように呟く。
そうだよ。
これが正しい。
だから、俺は……
俺の、したいように……か。
俺が、したいのは……
おらふくんとずっと一緒にいれれば、それだけで……
………ずっとって、どのくらいなんだろう。
このままだったら、今日で終わってしまう。
俺は………どうしたいんだろう。
無意識のうちに言葉が溢れる。
俺の呟きを聞いたおらふくんがぱっと明るい表情で
目を輝かせる。
今の俺には、やたらと眩しく見えた。
その一言で、決心が決まった。
もちろん、迷いがないわけじゃない。
それでも。
おらふくんを……君を、信じているから。
これから先、この判断を後悔することはないだろう。
伏せていた目を上げ、おらふくんの蒼色の瞳を見つめる。
俺の言葉を聞いて、おらふくんは嬉しそうに顔を綻ばせた。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!