─ なんだってぇ!?
「善法寺」 「食満」 と書かれた札のぶら下がる、小さな部屋から
森に眠る鳥たちが飛び立つ程の大声が響く
顔を真っ青に染め、汗を垂れ流し、正座して俯く食満留三郎。
彼の泳ぐ視線の先には、机の上の書物をバラっと乱し、焦り声を上げる善法寺伊作。
わかった。と承諾すれば、頭をひねりううんと唸らす。
たしか…。そういえば…。とひとつひとつあったことを、記憶違いがないように
頭の中の記憶の引き出しを慎重に引っ張り出す。
と、理由のはっきりしない問題に文字通り頭を抱える。
心配に嫌気がさした…?
そんなの今に始まったことでもないのに…、
あいつの地雷を俺が踏んでしまった?その地雷ってのは何だ?
学園で共に忍術を学ぶ仲間として六年間共にしてきたが、気が付いたら俺はあいつに避けられていた。
特別関わり合いはなかったし、むしろ少ないほうだった。
もしかして、俺、嫌われてる、のか?
沈ませていた顔の下から、心配そうに顔を覗かせる伊作。
昔から、伊作はずっといい奴だ。
困った周りの人を放っておけない。俺も例外じゃないらしい。
今心配なのは、俺じゃなくて、たぶんあなたなんだろうが…
そういえば、あなたの奴、俺が伊作の話をするたびに俺にガン飛ばしてきてたような……
思い返したら、なんか変だよなぁ、、
もやもやの正体に、気が付かぬふりをしながら
あたたかい布団に包まれ、目を閉じる。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。