ポツポツと雨が降る公園の植木の下
3人の子供が肩を寄せ合って座っている
1人の少年が痛みに顔を歪める
1人は傷を雨から守ろうとし、もう1人は泣き出しながら抱き締める
コツコツ
少年が口元に人差し指をやり外を伺う
不思議な髪色の男が1人植木の側を通る
視線に気付いたのか、少年と目が合う
植木の下の少年たちを見て、何かを察したように
優しく微笑み、手を差し出す
その手を
少年が叩く
手を振り払った音に驚いたのか、少年が隣の袖を握る
袖を握る少年を抱き締めて、背中を軽く叩く
泣きながら意識を手放す少年
声を掛けた男を睨む
そして
突然の大きな声に驚く男
そうしゃがんで目線を合わせる
だから、と微笑む男
決して考え込むでもなく、じっと睨み続ける少年の後ろから
放たれた言葉に振り返る少年
きっと彼は、後ろの少年たちを守りたいのだろう
しかし
3人は兄弟だったようだ
振り向いて言い、再度睨み付ける少年
驚いたように男を見詰める2人
そんな事を思いながら男の後ろを歩く少年たち
そう声を掛けて玄関を開けると
と走ってくる音がする
と、更に後ろから声がし
斯くして、6人は出会った
そして、様々な出来事に遭遇する事になる__
____その先に待つは、幸か不幸か
まだ、知る者はいない
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。