前の話
一覧へ
次の話

第1話

Prologue
130
2024/07/03 00:23
ポツポツと雨が降る公園の植木の下
んっ…くしゅっ
寒い?ごめんね…
3人の子供が肩を寄せ合って座っている
よっ…熱は…まだないな、ッ
1人の少年が痛みに顔を歪める
大丈夫…?傷、痛いよね…
にぃに…っポロッ
1人は傷を雨から守ろうとし、もう1人は泣き出しながら抱き締める
大丈夫…
コツコツ
しっ…
少年が口元に人差し指をやり外を伺う
………
あ〜疲れたぁ…
不思議な髪色の男が1人植木の側を通る
俺もだいぶ仕事人間だな…
早く帰ろ……ん?
視線に気付いたのか、少年と目が合う
え…っ
な、何してるの…?
植木の下の少年たちを見て、何かを察したように
えっと…取りあえず風邪引いちゃうし
家においで
優しく微笑み、手を差し出す
その手を
バシッ
少年が叩く
いっ…!
っ!
手を振り払った音に驚いたのか、少年が隣の袖を握る
大丈夫、大丈夫だよ…
…っポロポロ
大丈夫…絶対俺たちが守るから…
袖を握る少年を抱き締めて、背中を軽く叩く
トン…トン…
っ…グスッ
泣きながら意識を手放す少年
スゥ…スゥ…
ね、ねぇ…
ギロッ
声を掛けた男を睨む
そして
さわっ、るな!
!!
突然の大きな声に驚く男
ご、ごめんね、でも
手当てするだけでも…駄目かな?
そうしゃがんで目線を合わせる
それにその子…
君たちもだけど、沢山怪我してるでしょ
だから、と微笑む男
信用しなくて良い
ね、手当てだけでも…させてくれない?
……っ
決して考え込むでもなく、じっと睨み続ける少年の後ろから

























………分かりました…
放たれた言葉に振り返る少年
っおい
俺はともかく、2人は手当てしないと
きっと彼は、後ろの少年たちを守りたいのだろう
しかし
けど、!
お願い、"お兄ちゃん"
っ!
3人は兄弟だったようだ
………分かった
……2人に手を出したら、ただじゃおかないからな
振り向いて言い、再度睨み付ける少年
うん、それで良いよ
ありがとう、勇気を出してくれて
!!
驚いたように男を見詰める2人
























(ありがとうって…変な人…)
(でも………悪い人じゃ…ない、のかな…)
そんな事を思いながら男の後ろを歩く少年たち
___ここだよ
ただいま〜
そう声を掛けて玄関を開けると
おかえりー!
と走ってくる音がする
あ、走ったら危ないよ!
と、更に後ろから声がし
遅かったね…って
その子たち…

























斯くして、6人は出会った
そして、様々な出来事に遭遇する事になる__
























____その先に待つは、幸か不幸か
























まだ、知る者はいない

プリ小説オーディオドラマ