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第5話

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2023/01/29 07:32
 SixTONES side
 それから取材が始まるため舞台に上がり時間が過ぎていった。するとそこにはさっき見たあの子が壇上に上がる姿が見えた。
田中「あっ、あの子じゃん‼︎」
松村「ほんとだね、でもなんであんな所いるんだろう」
森本「知らねえ、お偉いさんの娘さんだからなんかあるんじゃねえの」
なんて会話をしながら壇上を見ているとどうやらあの子の紹介が始まるみたいだ。

司会「それでは、続きまして〇〇大学2年生女子陸上競技部所属、佐々木あなたです。あなたさんは先月、3000m日本記録とともにオリンピック出場を決めた陸上界の若きエースとしてご活躍されています。」

ジェシー「全然一般人じゃないじゃんhaha〜」
京本「日の丸背負ってるなんて、全然想像できないんだけど、、」
髙地「ほんとそれだよなあ(笑)でも、めっちゃ凄い子じゃん‼︎」
田中「もう今年のオリンピック俺、絶対見よって心に決めたわ」
森本「ぜってぇ見ねえやつだろそれ(笑)それにしてもあなたちゃんだっけ?なんか全然笑ってなくない」
松村「あっ、本当だ。」
壇上を見ると先ほど見た、ふわっと笑う彼女はおらず凛々しくまるで睨め付けるような彼女の顔がそこにはあった

あなたside
(もうほんま無理無理、心臓バクバクやし、それに…取材なんて受けたくない…)

記者「それではあなたさん、早速なのですがあなたさんはテレビや取材を受けるのが苦手なそうなのですが何か理由などあるのですか?」
あなた「苦手と言いますか…私は一つでも多くのレースで全力を出し切りたいんです。全部が全部全力を出し切れる試合なんてそうそうないと思うんですけど、私は一つでも多くのレースでそうしたいんです。だから私にとって、マイナスな情報や嘘を書かれるのが苦手で、勝手にあれこれ言われて期待されて傷つきたくないんです。」

あなた(言っちゃった、、どうしよう)そんなことを思っている矢先

記者「あなたさんおもしろいですね。噂に聞いていた通りだ。自分の信念を貫き通す新たな陸上界の異端児と呼ばれるのも納得です(笑)私達にはわからない考えもお持ちなんでしょうね(笑)」

あなた(きっと皮肉もこもっているのだろう、こんなこともう慣れっこだけどそれでも嫌や…ほんまに休めばよかった…泣いちゃだめだ…)

 そんなことを考えながら取材を受けていくうちにどんどん追い込まれてしまっている気がして、息苦しかった。やっと取材が終わり壇上から降りる頃にはもう涙が出てしまっていたのかもしれない

あなた「怖かった…だから人前に出るのなんて嫌やねん…」誰にも聞こえない声でそう呟いた…

 今は誰とも喋りたくない、そう思いながら会場の外に出て行きぼーっと1人で涙を流していたような気がする。
もう帰ろうそう思いながら歩き出そうとする時に腕を掴まれた…

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