12月になり、冷蔵庫の中なのかと錯覚するほど空気が凍てついて、自分の身体を冷やす。
少し、息を吐けば白い煙が周囲に広がって、空中でゆっくり消えていく。
冬だ。冬が来たのだ。
マフラーでぐるぐる巻きにし、電車を待つ。スマホで気温を調べれば1℃なんて出てくる。そりゃ寒いわけだ。
なのに隣の太宰さんはコート1つ。時々、手を擦り合わせて暖を取ろうとしている。
真逆、ここまで寒いとは思わなかったからね…
そう呟く声も少し震えていた。かなり寒いらしい。
興味本位で太宰さんの手にそっと触れてみる
金属を触ったのかと錯覚するほどの冷たさに思わず声が漏れてしまう。
こういう時は、カイロなどを渡してあげるのがいいのだろう。しかし、現在の私はそんなものを持ち合わせていない。その場しのぎなればいいよね…そんな思いで
今度は、手を包むようにして、太宰さんの手に再び触れる。
自分の手の熱が消えていくが太宰さんが少しでも温かくなるなら…の想いで温めていく
そう言って、手を離そうとブンブン振ってくるが、離されないようにギュッと握る
そう主張すると、諦めたように私に手を預けた
と、クスクスと笑いながら目を伏せ、こちらに微笑んでくる。
不思議に思い聞いてみる。そんな魔法、太宰さんが持っているのだろうか??
そう言って、自分の額を私の額にコツンと当て、そのまま唇を重ねる
まさか、こんな事をされるとは思っていなかったので、びっくりして思わず離れてしまう
と、少々驚きながらも反論するが、自分の顔が真っ赤になって、身体がだんだん熱くなっているからそういうことなのかと一瞬で理解する。
太宰さんにはやはり勝てない。
久しいですね。
今回書いた話に出てきた冬にできるあの、白い煙の事。
あれは、白息っていうらしいですよ。冬の季語です。そのままでしたね。
よかったら俳句にでも使ってください











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。