目を冷やしてから体育館に戻って結構な時間いなくなってたことを謝罪する
トイレに行くって言ってから帰ってこなくてだいぶ心配をかけていたみたいだ
ちなみにさっきの試合は一番はじめに見たものすごい速い速攻に苦戦したものの犬岡が止め、音駒の勝利だったらしい
その犬岡はというとその速攻を打っていた日向と何やらわーわー盛りあがっていた
烏野の監督らしき人が来て頭を下げる、どうやら俺待ちだったようだ
それぞれのスタメンがコートに入っていく中、音駒の方にズカズカとやってくる
あいも変わらず目つきの悪い無愛想な顔
ゆっくりと近づいて俺の前で止まる
お互い何も言わずただただ気まずい沈黙が流れる
いたたまれなくなってふいっと視線をそらすと烏野の11番の人と目があった………まぁすぐにそらされたけど
影山が俺の前に来てから体感1分後、やっと口を開いた
…わざわざ試合開始をぶった切って、何秒ももったいぶって出てきた言葉
こいつは本当に、なにもわかっていない
俺のことを、なにも
いろんな言葉を飲み込んで出てきたのは二言
たったのその二言は、あいつを動揺させるには十分だったようで
目を見開いて信じられないとでも言うように見てくる
まぁお前みたいなバレーバカからしたら信じられねぇだろうな
なんで知ってんだみたいな顔、今日の影山は表情筋がよく動く
ガッで胸ぐらをつかまれる、反動でカシャンとメガネが落ち、体育館に音が響く
沸点が低いのは昔から変わらないようだ
ぐっと手に力を込められる、服が伸びるからやめてほしいんだけどなぁ
そう言って烏野の主将と先輩が影山を引っ剥がす
人前でやることじゃ無かったな
最後まで俺を睨んでトボトボと外へ出ていく
かと思えば足を止めてこちらを見る
それだけいうとまた外に足を向けた
諦めないというのは何に対してだろうか
まぁ何であろうと逃げ出した俺にバレーをやる資格はない
もう、あのコートでボールに触ることはできない
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!