第3話

そんなあなたにオススメ!最高級の逃避行
292
2024/06/13 08:00
重音テト
重音テト
あっ、ミクいた〜!!おーい!!
………この声は。
初音ミク
初音ミク
テト…ちゃん?
重音テト
重音テト
そうだよ!こりゃまた酷い傷ついてるね…。
この子は重音テト。
幼稚園の頃からの幼馴染で、唯一この高校での友達。
高校に入って運悪くクラスが別になっちゃったんだ。
重音テト
重音テト
ごめんね…何もできなくて………。
初音ミク
初音ミク
大丈夫だよ…。テトが謝ることない。
重音テト
重音テト
…で、でも!放課後は私がいっぱいミクを楽しませるから!!
嬉しい。
直接言うのは恥ずかしくて言えないけど、私にとって大切な親友だ。



でも…もう………。
初音ミク
初音ミク
私っ………限界だよ………ヒッグ…。
あぁ…泣いちゃった。
テトには迷惑かけたくないのに。
重音テト
重音テト
………あのさ。
テトが何かを決心したかのように言った。



重音テト
重音テト
夢の世界に連れてってくれる人がいるって知ってる?



初音ミク
初音ミク
………何それ。
重音テト
重音テト
あのさ!前ネットで見かけた噂なんだけど、なんかそれがガチっぽいらしくて、
私と一緒に行かない?
初音ミク
初音ミク
何それ。やばいやつなんじゃないの?
そもそも、夢の世界があり得るわけない。
そんな異世界が実際にあるなら、私はきっと既に神様に救われているだろう。
重音テト
重音テト
大丈夫だって!これは釣られたものから救われるやつだよ!!
初音ミク
初音ミク
………。
あんまり信じたくない。
でも、今の私にとってその噂は最高級の逃避行に違いない。
初音ミク
初音ミク
…分かった。行く。
重音テト
重音テト
よっしゃぁ!!そう来なくっちゃ!!
じゃ、早速行こ!!!
危なそうなところだけど、正気の沙汰ではやっていけないこの娑婆じゃ、
敢えて素知らぬ顔で身を任せるのが最適解だと思ったんだ。




私とテトは噂の場所へと向かった。

プリ小説オーディオドラマ