第16話

「15歳」の彼女と真面目な青年
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2026/01/30 23:23 更新
ー紋躯町、カフェ内ー
side誠
まさか、ナイトアウルの星喰左手の視察を事務次長と共に行え、という指示が降りるとは。想定外だ。
指定されたカフェに入ると、案の定、紅の着物姿の彼女はすぐに見つかり、僕は彼女の促すままに席についた。
榊 希
…ごきげんよう。こんなところまで、悪かったわね。
藤凪誠
いえ、お気になさらず。15歳であれほどの重役、大変でしょう。
少し顔色の悪い彼女を見れば、あまり寝れてないのがわかる。濃い化粧で隠しているつもりだろうか。
榊 希
…ええ、少しだけ休憩してから、仕事に移ろうかと。
藤凪誠
承知いたしました。
しばらくすると、彼女は少し緊張したように聞いた。
榊 希
…あなたは。
榊 希
あなたは、輝から、何か聞いてたりしない?
いきなり、そんなことを聞かれた。
藤凪誠
なんのことだろうか。確か最近輝が事務次長と休日に会ったと話していたが。
榊 希
…いえ、何も聞いていないのなら、それでいいわ。
藤凪誠
榊 希
気まずいですね。どうしようか…
藤凪誠
…事務総長は、ずいぶんと、事務次長を心配していらしゃってるんですね。
榊 希
そう?書類上の関係よ。
藤凪誠
僕以外にも、空いている方はいたのですが、年齢が近い方が、希も楽だろうと、そうおっしゃってましたよ。
藤凪誠
案外、事務総長は書類上の関係、で済ませてないと思いますが。
榊 希
…そう…くだらないわね。
藤凪誠
そうでしょうか。
榊 希
さあ、もう行きましょう。彼の場合は、居場所を探すところから始まるわ。
すっかり日の落ちた紋躯町に、真っ赤な着物を着た女性を連れて一緒に仕事をする日が来ただなんて。

律儀で真面目な父が聞いたら、なんと言ったのやら。
side no
開始数十分

二人は、まだ左手に会えてすらいなかった。
榊 希
…仕方ないわ。
希は真夜中の一時を指す時計を見て、告げた。
榊 希
ナイトアウルの事務所に侵入しましょう。
少し大きめの声で。
榊 希
あそこはたくさんの金品があるそうじゃない
そこまで聞いて、誠も気づいた。

見つからないなら、相手から来て貰えばいいのだと。
藤凪誠
…そうですね。特にあそこの探偵は弱そうですから、人質にでも取れば、k
少し大きめな声を出した誠の首筋に、ナイフが当たる。
星喰左手
なーんか楽しそうな話してんじゃん?
星喰左手
オレも混ぜろよ〜
榊 希
…こんにちは、いえ、こんばんはになるわね、星喰左手。
榊 希
だいぶ探したわよ。まずは、彼の首元のナイフを外してもらっても?
榊 希
貴方なら、私達の正体に気づいてるはずよ。
星喰左手
へぇ、一瞬でタネ明かしか?つまんねえの〜
左手はナイフをしまいつつ、いった。
榊 希
やり合う気はないわ。私達はあくまで視察をしに来たの。
希の脳裏には、今のナイフの件を誤魔化す方法が書かれていく。
榊 希
銃刀法は、あなたには効かないようね。
星喰左手
父親Mrサカキにチクんのか〜?
榊 希
…考えておくわ。
榊 希
ただ、一つだけ。
榊 希
全てに反抗的にしていられるほど、世の中は子ども向けじゃないわよ。
希は誠を慎重に左手の隣から自分の隣へ手繰り寄せる。
榊 希
まあ、貴方が羨ましくないと言えば、それは嘘になるわね。
次の瞬間

左手の視界から二人の男女は消えた。
星喰左手
、、、チッ

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