第9話

「悪女」の彼女と仲間思いな鷹
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2025/09/13 15:00 更新
ー斜目町ー
榊希
くれぐれも、悟られないようにね。
榊希
私は、物怪瑠衣のところに行ってくる。
藤凪輝
氷姫様、キャラ変わりすぎw
榊希
あらあら、枯柳杖道も貴方に任せようかしら?
藤凪輝
断りマース
ーホークアイズ事務所ー
side輝
俺の担当は司波仁、、、いや、問題行動起こさねえだろ。仲間に手を出されない限り。
藤凪輝
はぁ、気乗りしなーい。
そう呟いた後、軽くノックだけして事務所内に入る。
藤凪輝
お邪魔しまーす。
司波仁
…誰だ。
まあ、その反応だよね。依頼の予定がないのは確認済み。ってことは俺は飛び込みの依頼人になるけど、それにしては肝が据わってる。
藤凪輝
オレの名前はアキラ、ちょっとした依頼があってさ。
偽名を使いつつ、依頼人ということを知ってもらう。
司波仁
…なんの依頼だ。生憎今は記録者が二人ともいねえんだ。
藤凪輝
ふーん、そーなんだ。
事務所内は質素すぎず豪華すぎず、このハウスの給料や町に相応しい、って感じかな。司波仁もちゃんとオレ不審者のこと警戒してる。
司波仁に関しては、合格か。
藤凪輝
司波仁。他二人によるけど、
藤凪輝
合格だよ、おめでとう。
そうとだけ告げ、そのまま事務所を後にした。
ー斜目町の公園ー
side希
公園を見てみると、案の定パルクールをしている瑠衣がいた。今は子ども一人もいないので、思い切り練習できるのだろう。
丁度休憩時間に入ったのを確認して、彼に近づく。
榊希
こんにちは、綺麗な動きでしたね。
物怪瑠衣
本当か?!ありがとうな!
榊希
ああっ!見たことあるって思ったら…ホークアイズの方ですか?
物怪瑠衣
ああ!ホークアイズの記録者だ!
榊希
そうなんですね!
榊希
いつもお仕事お疲れ様です。
物怪瑠衣の問題点ーー孤立感を抱いていること、突っ走ってしまうこと。
後者は、今のところ放置してもいいでしょう。他二人が押さえつけているし。
私にできるのは、前者を治すこと。長い付き合いの仁と杖道に対し、瑠衣は結成直前に会ったはず。それの事実に対する孤立感。

私の視察の目的は、不正に手を出しているかどうかの確認。

こんなのは、ただのお飾りの目的だ。でなければ、もっと危ないハウスを任せる。多分、父上が本当にして欲しいのは…

堕ちそうな人を引き止めること。
榊希
なにか、大変なこととか、ないですか?
物怪瑠衣
んー、、、
物怪瑠衣
なんか、仁とおっさんって、昔っからの付き合いなんだよな〜、、
物怪瑠衣
ちょっと、入りにくい話題もあるっつーか、、、
物怪瑠衣
いない方が、二人とも素なんじゃないかって、、、
榊希
あの子そっくりね。
榊希
…物怪さん。
榊希
人って、多面的なんです。
榊希
確かに、二人の互いへの態度と、あなたへの態度は違います。
榊希
でも、そのどっちも「素」なんじゃないですか?
榊希
私は、今こうしてあなたと話している私も、仕事中の私も、どっちも私であると断言できます。
榊希
あなたも、そうなのでは?
物怪瑠衣
、、、
物怪瑠衣
そうだな!
物怪瑠衣
なんかスッキリしたわ。ありがとうな!
榊希
いいえ、お気になさらず。
榊希
私、次の仕事あるので、これで。
物怪瑠衣
ああ!またな!
ーとあるカフェー
そこに向かうと、カウンター席に座る枯柳杖道を見つけた。

彼の問題点は、一言で言えば、罪悪感。それと、ハウス内唯一の大人であること。
後者については今のところ問題はない。むしろ、何かあっても彼をこっちに引き止める枷になっている。
けれど、その罪悪感に漬け込まれれば、どうなるかは分からない。
榊希
お隣、いいですか?
枯柳杖道
ええ、どうぞ。
榊希
あの、もしかして、ホークアイズの?
枯柳杖道
あぁ…まあ
謙遜。あの子に教えてあげたいくらいの大人ね。
榊希
すごいですね、ネストなんて。
榊希
ご立派です。
枯柳杖道
いえ、そんなことないですよ…
枯柳杖道
現に私は、まだ幼かった子どもを置き去りにした。
榊希
子ども…ですか。
枯柳杖道
はい、情けないことに、その子どもが怖くなってしまったんです。
榊希
そう、ですか…
枯柳杖道
不甲斐ないですね。
榊希
そんなことはないと思います。
榊希
だって、今、あなたはその子どもの側で、その子を支えている。
榊希
それだけで十分じゃないですか。
榊希
私も、子どもを捨ててしまったんです。
榊希
一生守るなど、散々言っておきながら。
榊希
私は、まだその子に会えていません。
榊希
なので、あなたを尊敬します。
榊希
こんな赤の他人の言葉じゃ慰めにならないかもしれませんが、
榊希
今までよりも、今とこれからを見てください。
榊希
あなた方の幸せを願っていますよ。
枯柳杖道
…ありがとうございます。
彼は優しく微笑み、礼を言う。
榊希
それと、探偵さんに言ってください。
榊 希
合格です。
そう言うと、私はそのカフェを出た。
ー数十分後・ホークアイズ事務所ー
物怪瑠衣
ただいまー!
司波仁
うるせえ
枯柳杖道
おかえり、瑠衣。
物怪瑠衣
そーいえば気になったんだけどさ
司波仁
見ず知らずの他人に会って何か聞かれたか?
物怪瑠衣
なんでわかんだよ、、、エスパー?
司波仁
俺のところに来たからだ。いかにも軽薄そうな男が。他二人にもよるとか言ってたからそうだろうと思ったんだ。
物怪瑠衣
ふーん、オレの時は茶髪の女子だったけどな。
枯柳杖道
私の時もそうだな、大人びいて不思議な印象があった。
枯柳杖道
確か、その少女から仁に伝言だそうだ。
枯柳杖道
「合格です」と。
物怪瑠衣
、、、?
司波仁
…多分ネストの本部職員だ。視察にでも来たんだろ。
物怪瑠衣
ふーn、、、え?!
枯柳杖道
だが、合格と言われたのだから、特に問題はないのだろう。
物怪瑠衣
視察だったのか、、、?
物怪瑠衣
どっちかっつーとカウンセリングみてーだったけど。
枯柳杖道
私の時もそうだな。
司波仁
…随分世話焼きな職員だったようだな。

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