私は男子という生き物が苦手だ。
その原因は中学二年生の時____
私はある1人の男の子が好きだった。
「ルイナ、俺さずっとルイナのことが好きだった。
付き合ってくれないか?」
突然の告白。
初めて好きな人から告白された。
明日からずっと不幸が続くんじゃないかってくらいの幸せを感じた。
それからは一緒に登校したり帰ったり、どうでもいい話でも笑い合っていた。
そんな幸せな日々は長くは続かなくて、1ヶ月経った頃
私は忘れ物をして、教室に戻った。
彼からは《今日は一緒に帰れない。》というLINEがきていた。
わぁ。もう、本当に鈍臭い。
携帯を教室に忘れるなんて。
男子1「おい、ユウキ。お前最近どうなんだよ。彼女できたんだろ?笑」
男子2「あ、そうだよ。何だか楽しそーじゃん。」
わ、ユウキくん。まだ教室に居たんだ。
ユウキ「あー。お陰様で楽しくやらさせてもらってるよ。」
男子2「何だよそれ〜。惚気か?」
ユウキ「んなわけねーじゃん。あんなやつ暇つぶしだよ。あと2ヶ月くらい経ったら別れよーかなって。笑」
男子1「うっわ。ひっでー奴。笑」
ユウキ「いや、だって聞けよ。もう1ヶ月も経ってんのにまだキスだけだぜ?最初はもっとかわいいのかと思ってたけどもう飽きたわ。笑」
男子2「まあ、所詮罰ゲームから始まった恋だもんな。笑」
ユウキ「そうそう。罰ゲームで誰か1人の女子に告白とかなったからしただけで、別にそれほど好きじゃなかったし。」
う、そ。
なにそれ。信じらんない。
私はずっと、
ずっと、好きだったのに。
そして、私は目から流れそうな涙を全部拭き取って勢いよく教室の扉を開けた。
ルイナ「お前なんかこっちから願い下げだわ!クソ人間!」
そう言って忘れていた携帯をとり、教室を出て走った。
裏切られたショックで、その日から無意識に男子を避けるようになってしまったのだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。